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『ロックを再生する』ジミ・ヘンドリックス その2

『ロックを再生する』ジミ・ヘンドリックス その2

2023年9月21日 00:00

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片岡義男『彼らを書く』を読んで「なんであの映画がないんだ!」と思われた方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。それらの「紙面に登場しなかった」映像作品について取り上げ、これまでとはちょっと違ったユニークな視点から掘り起こしていこうというのが新連載『ロックを再生する』です。書き手(そして本編イラストも)は『僕も彼らを書く』に引き続き、編集者の篠原恒木さんです。

◆著者紹介

篠原恒木
篠原恒木(しのはらつねき)

光文社の編集者。女性月刊誌『JJ』の元編集長。現在は宣伝の統括を担う。片岡義男の編集担当として以下の3作品を世に出した。『珈琲が呼ぶ』『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。』の2作は珈琲ブームの火種にもなった作品。そして、片岡義男とガッツリ肩を組み、長期に渡り合ったザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリーに関するエッセイ集『彼らを書く』。これらは、篠原恒木自身の連載『僕も彼らを書く』、『ロックを再生する』へと続いている。

◆著者よりひとこと

「自分の好きな服を着ればいい」
「自分の言葉で話せばいい」
「自分の声で歌えばいい」
「自分が好きなように生きていけばいい」
ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリーの映像を再生すれば、
いつだって彼らは僕にそう語りかけているような気がします。
だから僕は、さらに「彼らを書く」のです。

◆ 最新刊(2023/9/21公開)

第134回『ジミ・ヘンドリックス』その2
第134回『ジミ・ヘンドリックス』その2

著名なミュージシャンの伝記映画は、昨年公開された『エルヴィス』をはじめ枚挙にいとまがありませんが、ジミ・ヘンドリックスを主人公に据えた作品もご多分にもれず製作されています。この回ではそのうちのひとつ、『HENDRIX』(邦題『炎のギタリスト/ジミ・ヘンドリックス』)を紹介します。ジミを演じるのはウッド・ハリス。この映画では悪名高きジミのマネージャー、マイケル・ジェフリーとの軋轢を大きなテーマにしているものの、ジミのファンには周知の事実がほとんどで面白みはないかもしれません。とはいえ、ジミの27年間の生涯を103分でざっくり把握するにはうってつけの作品であり、見ておいて損はないと言えるでしょう。物語は1970年9月12日、つまりジミの死の直前にイギリスの自宅でTVのインタビューを受けているジミのシーンから始まります。役者たちはそれぞれのキャラクターの話し方や仕草などをよく研究した上で役に挑んでおり、それなりに見所もあるのですが、非常に残念な点もあると篠原さんは言います。前回ご紹介したドキュメンタリーと併せて見るのがよいかもしれません。
作品を読む

◆ 次回予告

「ジミ・ヘンドリックス」その3
2023/9/28公開
第135回『ジミ・ヘンドリックス』その3

ジミ・ヘンドリックス関連の映像作品を紹介する最終回です。まずは劇映画『JIMI 栄光への軌跡』(2013年制作)。ジミそっくりに"変身"したアンドレ・ベンジャミン主演のこの作品は、ジミがニューヨークのナイトクラブでの雇われギタリストから、ロンドンへ渡り脚光を浴び、モンタレー・ロック・フェスティバルで凱旋するまでの1966年から67年の2年間を描いた作品です。映画の冒頭には「Based on a true story」(日本語字幕では「これは実話である」)とあるのですが、ドラマ上ではいわゆる「定説」とは異なる展開もあるようで、スリリングなシーンがありながらもモヤモヤした気分になった、と篠原さん。そしてもう1本はドキュメンタリー「Band Of Gypsys: Live At The Fillmore East」(1999)。ソロ・アーティストとして語られることの多いジミですが、実はメジャー・デビューしてからは常にバンドとして活動していました。その中でもバンド・オブ・ジプシーズはわずか3ヶ月という短命に終わったバンド。その結成から解散までを当時の関係者たちの証言で綴ります。しかしこの作品は本編よりもむしろ特典映像として収録されている、1969年のフィルモア・イーストでの58分のライヴ映像の方が価値が高いかもしれません。

◆ 『彼らを書く』(2020/04/22刊行)

◆ 『彼らを書く』(2020/04/22刊行)
“このように書かれた「彼ら」を読むのは初めてだ。圧倒された。”
細野晴臣氏(音楽家)

採り上げられた映像作品は全部で31作品。有名な『A HARD DAY’S NIGHT』や『HELP!』などが含まれていない「カタオカ・チョイス」にも、ファンの深読みがすでに始まっている。ディラン再来日、そして9月公開予定のザ・ビートルズ映画『GET BACK』を心待ちにしながら読み進めるのには最適の一冊。

【単行本】光文社|定価:本体2,000円+税|256頁

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