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『ロックを再生する』最後のチャンスだったけれど

『ロックを再生する』最後のチャンスだったけれど

2022年5月18日 00:00

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片岡義男『彼らを書く』を読んで「なんであの映画がないんだ!」と思われた方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。それらの「紙面に登場しなかった」映像作品について取り上げ、これまでとはちょっと違ったユニークな視点から掘り起こしていこうというのが新連載『ロックを再生する』です。書き手(そして本編イラストも)は『僕も彼らを書く』に引き続き、編集者の篠原恒木さんです。

◆著者紹介

篠原恒木
篠原恒木(しのはらつねき)

光文社の編集者。女性月刊誌『JJ』の元編集長。現在は宣伝の統括を担う。片岡義男の編集担当として以下の3作品を世に出した。『珈琲が呼ぶ』『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。』の2作は珈琲ブームの火種にもなった作品。そして、片岡義男とガッツリ肩を組み、長期に渡り合ったザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリーに関するエッセイ集『彼らを書く』。これらは、篠原恒木自身の連載『僕も彼らを書く』、『ロックを再生する』へと続いている。

◆著者よりひとこと

「自分の好きな服を着ればいい」
「自分の言葉で話せばいい」
「自分の声で歌えばいい」
「自分が好きなように生きていけばいい」
ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリーの映像を再生すれば、
いつだって彼らは僕にそう語りかけているような気がします。
だから僕は、さらに「彼らを書く」のです。

◆ 最新刊(2022/5/19公開)

第68回『最後のチャンスだったけれど』
第68回『最後のチャンスだったけれど』

興行的に振るわなかった映画『燃える平原児』(1960)に続いてエルヴィスが主演したのが『嵐の季節』(1961)。現代を舞台に、自身の生き方と三人の女性との愛に苦悩する青年というシリアスな役どころで、劇中で歌う曲は3曲のみ。しかし『燃える平原児』と同様に大ヒットとはほど遠い興行成績で終わります。その結果、以後のエルヴィス映画はラブ・コメディで歌が多い作品となっていくのですが、そこには本人よりもパーカー大佐の意向が大きく働いていたようです。ちなみにこの『嵐の季節』でエルヴィスの恋人の一人を演じた女優チューズデイ・ウェルドは、1988年の映画『ハートブレイクホテル』にも出演しています。
作品を読む

◆ 次回予告

第69回『これが夢のハワイだ』
2022/5/26公開
第69回『これが夢のハワイだ』

エルヴィスが主演した1961年11月公開の映画『ブルー・ハワイ』は空前の大ヒットを記録します。前二作『燃える平原児』『嵐の季節』の不評で、俳優としては方向転換を余儀なくされたエルヴィスでしたが、この作品で娯楽映画のキングとして復活。彼にとって幸運だったかどうかはわかりませんが、観客が望む「歌いまくる健康な好青年/実直で立派な青少年の規範」という、これ以降の映画のプロトタイプを確立します。劇中で歌う曲はなんと14曲、サントラ盤はヒットチャートのトップを一年キープするという偉業も達成します。さらにこの映画は日本の映画界にも影響を与え、加山雄三さん主演の『ハワイの若大将』や、舟木一夫さんと本間千恵子さん共演の『夢のハワイで盆踊り』ではハワイ・ロケが行われることになるのです。

◆ 『彼らを書く』(2020/04/22刊行)

◆ 『彼らを書く』(2020/04/22刊行)
“このように書かれた「彼ら」を読むのは初めてだ。圧倒された。”
細野晴臣氏(音楽家)

採り上げられた映像作品は全部で31作品。有名な『A HARD DAY’S NIGHT』や『HELP!』などが含まれていない「カタオカ・チョイス」にも、ファンの深読みがすでに始まっている。ディラン再来日、そして9月公開予定のザ・ビートルズ映画『GET BACK』を心待ちにしながら読み進めるのには最適の一冊。

【単行本】光文社|定価:本体2,000円+税|256頁

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