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『ロックを再生する』コスプレスリー万才

『ロックを再生する』コスプレスリー万才

2022年8月18日 00:00

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片岡義男『彼らを書く』を読んで「なんであの映画がないんだ!」と思われた方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。それらの「紙面に登場しなかった」映像作品について取り上げ、これまでとはちょっと違ったユニークな視点から掘り起こしていこうというのが新連載『ロックを再生する』です。書き手(そして本編イラストも)は『僕も彼らを書く』に引き続き、編集者の篠原恒木さんです。

◆著者紹介

篠原恒木
篠原恒木(しのはらつねき)

光文社の編集者。女性月刊誌『JJ』の元編集長。現在は宣伝の統括を担う。片岡義男の編集担当として以下の3作品を世に出した。『珈琲が呼ぶ』『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。』の2作は珈琲ブームの火種にもなった作品。そして、片岡義男とガッツリ肩を組み、長期に渡り合ったザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリーに関するエッセイ集『彼らを書く』。これらは、篠原恒木自身の連載『僕も彼らを書く』、『ロックを再生する』へと続いている。

◆著者よりひとこと

「自分の好きな服を着ればいい」
「自分の言葉で話せばいい」
「自分の声で歌えばいい」
「自分が好きなように生きていけばいい」
ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリーの映像を再生すれば、
いつだって彼らは僕にそう語りかけているような気がします。
だから僕は、さらに「彼らを書く」のです。

◆ 最新刊(2022/8/18公開)

第80回『コスプレスリー万才』
第80回『コスプレスリー万才』

『ハレム万才』(Harum Scarum/1965)は、エルヴィス主演の通算19作目の映画ですが、彼の主演作の中でも「屈指の迷作」と篠原さんは断言します。エルヴィス本人は撮影を心待ちにしていたようですが、現場で演技しながらその支離滅裂な筋立てに大いに困惑したと言います。特に歌唱シーンのカメラワークとカット割りは、単に凡庸であることを超えて、ストーリーに急ブレーキをかける要因にもなっているとあっては、さすがに擁護もできません。もしこの映画に見るべきものがあるとすれば、劇中でエルヴィスが見せる、様々な衣装による「コスプレ」かもしれません。そして、この頃からエルヴィスはライブができず、映画とそのサウンドトラック録音が中心の生活にフラストレーションを溜めていったと言われています。
作品を読む

◆ 次回予告

第81回『アメリカン・オールド・シネマ』
2022/8/25公開
第81回『アメリカン・オールド・シネマ』

『フランキー・アンド・ジョニー』(1966年3月公開)は、記念すべきエルヴィス20作目の映画です。舞台は19世紀の豪華ショウ・ボートで、エルヴィスはショウの歌手を演じています。この年、ザ・ビートルズがライブ・ツアーから撤退、ボブ・ディランはエレクトリック・サウンドへと完全に移行、そして映画界では「アメリカン・ニュー・シネマ」の時代がすぐ近くまで来ていました。若い世代から「エルヴィスは時代遅れ」というレッテルを貼られつつある中での前時代的な映画の撮影は、エルヴィスにとって苦行に近かったのではないか、と篠原さんは推察します。前作に引き続きエルヴィスのコスプレ姿も楽しめますが、一部のシーンで曲を歌う彼の姿には、デビュー当時の「狂気」を一瞬思い起こさせるものがあるようです。

◆ 『彼らを書く』(2020/04/22刊行)

◆ 『彼らを書く』(2020/04/22刊行)
“このように書かれた「彼ら」を読むのは初めてだ。圧倒された。”
細野晴臣氏(音楽家)

採り上げられた映像作品は全部で31作品。有名な『A HARD DAY’S NIGHT』や『HELP!』などが含まれていない「カタオカ・チョイス」にも、ファンの深読みがすでに始まっている。ディラン再来日、そして9月公開予定のザ・ビートルズ映画『GET BACK』を心待ちにしながら読み進めるのには最適の一冊。

【単行本】光文社|定価:本体2,000円+税|256頁

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