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ロックを再生する|第32回|コンセプチュアル・アルバムとは

 ジョージ・ハリスンが椅子に座りインタヴューを受けながら、左手首につけている腕時計のねじを巻いている。肘を曲げた両腕を体の前に移動させて、ねじを目で見ながらきちんと巻くのではなく、左腕の肘は肘掛けの先端に浅く載せて、腕は自然に下げている。そして反対の右手をその左手首まで伸ばし、親指と人差し指でねじを何回か巻いているのだ。そのあいだ腕時計は一回も見ていない。視線はインタヴュアーに向かって注がれ、質問に答えている。このシーンを観ることができたのは、僕にとって最大の収穫だった。これは彼の単なる癖なのか、インタヴューに集中していない証拠なのか…

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