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ロックを再生する|第70回|政治から遠く離れて「夢の渚」へ

 ラブ・コメディの要素が強いミュージカル映画Blue Hawaiiの大ヒットで、以降のエルヴィス映画の方針、路線は決まってしまった。主演映画においてもはやエルヴィスは古い社会の価値観に不満を抱く反逆児として描かれることもなく、したがって反骨精神をもった硬派な怒れる若者という役は退けられた。残念なことに本格的な演技力も必要とされず、その代わりに要求されたのは、映画の中で「歌いまくる」ことだった。映画はヒット曲を生み出すための大きな「手段」として扱われたのだ。しかし劇中で歌うときは腰も小刻みに動かさない。挑発的な歌詞も排除された。「淫らな…

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