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ロックを再生する|第18回|不思議の壁の穴

 エエ、落語では、貧乏長屋の薄い壁に小さな穴が空いていまして、そこから隣の家を覗き見する噺がいくつかございます。「野ざらし」てぇ噺になりますと、ある夜、八五郎が長屋で寝ていますと、女嫌いで知られる隣の隠居・尾形清十郎の部屋から女の声が聞こえてきます。朝ンなるってぇと、八五郎は尾形の部屋に飛び込み、ゆんべの出来事を問いただしますな。
「どっから引っ張り込んだい、ゆんべの女は?」
 尾形は夢でも見たかと、とぼけてみせますが、八五郎に、
「夢だぁ? とぼける気かい。なら夢でねぇ証拠、われ、因縁、故事、来歴…

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