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ロックを再生する|第84回|カウンター・カルチャーとエルヴィス

 一九五四年、エルヴィスの登場は衝撃的だった。従来の価値観を根底からひっくり返した。それまで誰もエルヴィスのような歌い方をしていなかった。思いもよらないほど「過激でいかがわしくて、危険な匂いのする」存在だった。穏健派は眉をひそめた。嫌悪感を示した。理由は「わけがわからなかった」からである。だが、その「わけのわからないもの」こそが、いままで自分たちが大切にしていたものの価値を落とし、やがては自分を取り巻く世界を変えてしまうのではないかと本能的に怯えたのだ。エルヴィスは一九五四年のデビューから数年間、とびっきりのアウトローだった。カウンタ…

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