雑誌の編集をしていたので、毎日のように撮影現場に立ち会っていた。昔のファッション雑誌はいまと違って「どれだけ情報を詰め込むことができるかが勝負」というページがたくさんあった。したがって「一ページに写真一点」「見開き二ページを跨いで写真一点」などというモード誌のようなページ構成はごくまれで、モデルを起用したロケの角版写真でも一ページに四点は載せる、というパターンが多かった。極端な例を挙げれば、バッグの切り抜き写真を見開きで八十点も載せたこともある。当然、一枚一枚の写真のサイズは小さくなってしまう。モデルをロケで撮影しても、きちんと彼女…