きみは前回の連載でTHIS IS ELVISというドキュメンタリー映画について最後まで書き終えることができなかった。そのことできみは自己嫌悪に陥っている。もう少し原稿を刈り込めば、それなりの長さで収めることができたのではないか、と反省しているのだ。
　そしてもうひとつ。なぜ、あの前編の文章を二人称単数の「きみ」を主語にして書いたのか。そのことについても後悔している。読んでいただいた人にとってはわかりづらかったことだろう。
「きみ」を主語にしたのは、ほんの出来ごころである。この連載の主語をずっと「僕」で通してき…