前回の連載で、ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、そしてエルヴィス・プレスリーの映像作品についての感想文は書き終えたような気がしている。ということは、この連載『ロックを再生する』は次なる段階へと進まなくてはならない。だが、僕には心残りがひとつだけある。それは二〇二一年の十一月に新しく発表されたザ・ビートルズの映画、Get Backだ。この作品についてはぜひとも書いておきたい。ザ・ビートルズ篇の「追加原稿」というかたちになってしまうが、この映像作品を取り上げてからでないと、「次なる段階」、つまりは新シリーズへと移行できないような気がするか…