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遠い昔の日に
エッセイ

遠い昔の日に

 大昔のハワイでは、平民も貴族も、だいたい分けへだてなく平等にサーフィンを楽しんでいた。しかし、やは…

雨の京都、主演女優、そして発泡する日本酒
エッセイ

雨の京都、主演女優、そして発泡する日本酒

「たまには対談をしてみませんか。相手は主演女優です」  と友人が言った。 「いつ、どこで、誰と」…

風をかっさらうようにして、チョッパーがハイウエイをまっすぐに飛んでいく。よく冷えたバドワイザーが手近にある
エッセイ

風をかっさらうようにして、チョッパーがハイウエイをまっすぐに飛んでいく。よく冷えたバドワイザーが手近にある

 アメリカのチョッパー乗りたちのための専門誌『イージーライダーズ』が、いまでも健在だ。創刊されてすで…

だから三歳児は泣いた
エッセイ

だから三歳児は泣いた

 二十五歳のとき、僕は自分の写真をすべて捨ててしまった。ゼロ歳から二十五歳までのあいだに、僕の手もと…

彼のオートバイ、彼女の島
小説

彼のオートバイ、彼女の島

一度目は高原の道で。二度目は共同浴場で。 偶然の出会いが2度あった「彼女」は、 もう無関係な他人では…

アメリカの心がうたう歌が聞こえる
書評

アメリカの心がうたう歌が聞こえる

『アーサー・ロススタインによる、写真に写しとられた一九三〇年から一九八〇年までのアメリカ』という一冊…

ロッキング・チェア
エッセイ

ロッキング・チェア

 アメリカの中西部、人口が一〇〇〇名に満たない小さな田舎町の町はずれに、その家はあった。大平原地帯の…

8月25日 噴水
エッセイ

8月25日 噴水

 真夏の、美しい快晴の日だった。まっ青な空から、午後の強い陽ざしが、広場に降り注いでいた。ぼくは、広…

雨が降ります
小説

雨が降ります

 雨が降りそうな日、作家の吉野美紀子の家に中原恭子が訪れます。彼女は美紀子の担当編集者です。二人はと…

幸せは白いTシャツ
小説

幸せは白いTシャツ

20歳の夏。彼女は一人でオートバイに乗って日本中を旅する。ひと夏の経験ではなく、少なくとも1年、でき…

巨大な月曜日
小説

巨大な月曜日

サーフィンを描いた有名な映画に『ビッグ・ウェンズデイ』がある。 この場合の「ビッグ」とは言うまでもな…

半熟卵ふたつ
小説

半熟卵ふたつ

北原律子というペンネームの作家が、新しい仕事に向かうに当たって、自分のメモ帳を見返し、そこからネタに…

どしゃ降り餃子ライス
小説

どしゃ降り餃子ライス

短編小説の航路の一編『餃子ライスにどしゃ降り』(『雨は降る降る』へ改題)に続く、餃子ライスを主題にし…

六十四年インパラ
小説

六十四年インパラ

梅雨の冷たい雨の中、傘もささずに三人の独身男性が歩いています。彼らはそれぞれによく似た、しかし細部が…

現実のしがらみと「私」
評論

現実のしがらみと「私」

この作品は、『日本語の外へ』「第2部 日本語──世界とは母国語の外のこと」 に収録され…

正解はブラック・コーヒーの色
エッセイ

正解はブラック・コーヒーの色

 昼食のあと彼はオフィスへ戻った。午後の仕事をはじめて二時間ほど経過して、デスクの外線電話が鳴った。…

1957年のラブ・ミー・テンダー
評論

1957年のラブ・ミー・テンダー

 下北沢のあの映画館の名称をついに思い出した。下北沢映画劇場だ。かつての下北沢駅の北口を出て道幅の狭…

僕の国は畑に出来た穴だった
評論

僕の国は畑に出来た穴だった

この作品は、『日本語の外へ』「第2部 日本語──ペシミズムを越えようとしていいのか」 …

「スキヤキ」の次は「スシ」だった
エッセイ

「スキヤキ」の次は「スシ」だった

 一九六一年の日本で「上を向いて歩こう」という歌がヒットした。日本人全員と言っていいほどに多くの人た…

大瀧詠一追悼 物語はこのように始まり、このように終わる 成瀬巳喜男『銀座化粧』を介して
エッセイ

大瀧詠一追悼 物語はこのように始まり、このように終わる 成瀬巳喜男『銀座化粧』を介して

 僕と大瀧詠一さんは三十年前に初めて会った。当時のFM各局でオン・エアされていた週に一度の二時間番組…

おすすめ作品

白い縫いぐるみの兎
エッセイ

白い縫いぐるみの兎

 一九四五年の二月の後半、五歳の子供だった僕は、両親とともに東京駅から汽車に乗り……

おすすめポイント

1941年、日本海軍航空隊によるハワイ・オアフ島の米軍基地に対する奇襲攻撃(真珠湾攻撃)は、日本時間12月8日午前3時9分に実行されました。この時現地は朝の7時49分。市民の日常が非日常に変わる瞬間は突然やってきます。

スープはどうなさいますか
エッセイ

スープはどうなさいますか

 いまの日本のどこへいっても、そこにはスーパーがある。片仮名書きされたスーパーと……

おすすめポイント

日本でもおなじみの「キャンベル」の缶詰スープ。太平洋戦争の時期、このキャンベルのスープはアメリカから海外に向け、絶え間なく輸送されていました。米陸軍が行動中の兵員に配給する「コンバット・レーション」(いわゆる野戦食)として。

「四角い食事」とは、なにか
エッセイ

「四角い食事」とは、なにか

 スクエア・ミールという英語の言葉を日本語に直訳すると、四角い食事、ともなるだろ……

おすすめポイント

太平洋戦争の時代、米軍の携行野戦食は各種の食材が四角くパッケージされていました。そこには食品業界が戦争遂行を支えるために行った大変な努力があり、それは戦中戦後のアメリカ人の食生活にも大きな影響を与えます。

広島の真珠
エッセイ

広島の真珠

 半年だけと期間を区切って、日本のTV各局のニュース番組を録画で可能なかぎり見た……

おすすめポイント

どんな事態にせよそれを引き起こした原因(コーズ)と、引き起こされた結果(エフェクト)とが、常に一対としてあります。戦争もそうだ、と『ライフ』の記者であったロジャー・ローゼンブラットは語ります。

戦争は、写真うつりがいい
書評

戦争は、写真うつりがいい

『アメリカ海軍の戦争写真』というタイトルの写真集を、僕はいま見ている。《真珠湾か……

おすすめポイント

戦争はどんな事情があろうと許されるものでありません。それを理解してなお私たちが戦争の写真に惹きつけられるのはなぜでしょう。第二次大戦中、米海軍は写真家のエドワード・スタイケンを隊長とする写真部隊を編成し、太平洋戦争の記録を残しました。

「真珠湾」よりも大切なこと
エッセイ

「真珠湾」よりも大切なこと

いま必要なのは“言葉の関係”に入ること  ハワイのオアフ島、真珠湾のアメリカ軍……

おすすめポイント

戦後の日本はひたすら経済活動に邁進し、諸外国との間でも経済を主軸とした関係を築きました。しかし今後は「言葉の関係」に入らざるを得ず、そこには真珠湾が教えてくれる「ひとつの事実」があります。

一九四五年秋、民主主義の始まり
エッセイ

一九四五年秋、民主主義の始まり

 仕事の現場で、珍しく、久しぶりに、同世代の男性と知り合った。落ち着いたスーツに……

おすすめポイント

太平洋戦争が終わったその年、戦後の小学校で初等教育を受けたというある紳士。彼は「民主主義」を、自身の身の上に舞い降りてきたある出来事でその意味を実感したといいます。その出来事とは……。

新着作品

コーヒーに俳句が溶けていく
エッセイ

コーヒーに俳句が溶けていく

 この冬最初の寒気が日本列島に流れ込んでいるという日の夜、三人で寿司を食べた。いつもの私鉄沿線のほど…

お勝手に、|第11回|さくらんぼの蜂蜜
関連本

お勝手に、|第11回|さくらんぼの蜂蜜

ハチミツの主な効能には体力回復、潤肺止咳、便通改善、止痛、解毒などがあり、最近では抗ウィルス作用にも…

ロックを再生する|第27回|イエスタデイ
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ロックを再生する 第二十七回  イエスタデイ 篠原恒木  映画館に足を運ぶことがめっき…

雨が降ります
小説

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 雨が降りそうな日、作家の吉野美紀子の家に中原恭子が訪れます。彼女は美紀子の担当編集者です。二人はと…

「スキヤキ」の次は「スシ」だった
エッセイ

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世界地図の歩き方 29 肥後の赤玉
関連本

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肥後の赤玉。熊本生まれ、よく効く胃腸薬。初めて渡米のとき父は私に肥後の赤玉を持たせてくれた。1969…

ロックを再生する|第26回|トリビュート問題
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「トリビュート」と名のつくアルバムやコンサートには、いくつかの例外を除き、あまり近づかないようにして…

かき氷は食べましたか
エッセイ

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 待ち合わせのカフェに彼はすでに来ていた。大きな楕円形のテーブルの一角で椅子にすわって脚を組み、小さ…

旅は日曜日に始まる
エッセイ

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 仕事でときたま会う三十代の男性から、つい先日、「ゲッスイキンのことを英語でなんと言うのですか」と訊…

六十四年インパラ
小説

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梅雨の冷たい雨の中、傘もささずに三人の独身男性が歩いています。彼らはそれぞれによく似た、しかし細部が…

どしゃ降り餃子ライス
小説

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短編小説の航路の一編『餃子ライスにどしゃ降り』(『雨は降る降る』へ改題)に続く、餃子ライスを主題にし…

レモネードとあさりの貝殻
小説

レモネードとあさりの貝殻

コロナ禍の夏、作家の西条ミレイは、編集者の中原美也子から、毎月50枚の短編を1本、12ヶ月書くという…

通訳は位置についたか
評論

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 早くも十年は前のことになるかと思うが、G5会議の様子が報道されるのを、僕はアメリカのTVニュースで…

対話をしない人
評論

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 自分専用の固い枠の内側に守られ、そのかぎりにおいて安心して存在していることの出来る自分という人のあ…

ほんの一瞬がポートレートとして後世に残る
評論

ほんの一瞬がポートレートとして後世に残る

 リチャード・フォードの『ワイルドライフ』は買ってあった。探したらすぐに見つかった。一九九一年にロン…

彼は二十一歳、ヘア・クリームでなでつけたDAは栗色に輝いていた
書評

彼は二十一歳、ヘア・クリームでなでつけたDAは栗色に輝いていた

 エルヴィス・プレスリーのファンにとって、『エルヴィス'56』という写真集は、もっとも貴重な本ではな…

1957年のラブ・ミー・テンダー
評論

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 下北沢のあの映画館の名称をついに思い出した。下北沢映画劇場だ。かつての下北沢駅の北口を出て道幅の狭…

『タランチュラ』あとがき
書評

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 ボブ・ディランの『タランチュラ』は、難解である、とよく言われているが、けっしてそのようなことはない…

言葉のなかだけにある日本をさまよう
書評

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 オールタイム、という日本語を文字どおりに解釈するなら、文庫のオールタイム・ベスト10など、とうてい…

「ザ・コンプリート ピーナッツ」
書評

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 チャールズ・M・シュルツがその生涯にわたって描き続けた『ピーナッツ』という新聞連載漫画の、コンプリ…

作品一覧

小 説

雨が降ります

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 雨が降りそうな日、作家の吉野美紀子の家に中原恭子が訪れます。彼女は美紀子の担当編集者です。二人はと…

六十四年インパラ

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どしゃ降り餃子ライス

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短編小説の航路の一編『餃子ライスにどしゃ降り』(『雨は降る降る』へ改題)に続く、餃子ライスを主題にし…

レモネードとあさりの貝殻

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この『今日この頃です』手書き原稿は、パイロットコーポレーションの情報誌「RASHIN」三十四号(二〇…

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前半は北村恵子と河合新兵、後半は岸田作治と青山恭子という、二組の男女が語り合います。二組はいずれも男…

と、彼女は言った

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路地の多い町の飲み屋街の奥にある洒落たバーに、男がひとりやってきます。彼は、カウンターの中の女性に話…

窓の外を見てください 6

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長編小説「窓の外を見てください」第六回にして最終回、つまりこれでこの小説が完結します。物語はタイトル…

窓の外を見てください 5

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「窓の外を見てください」第五回は、前回、中沢に依頼された短編小説『ため息をつく幸せ』が丸ごと収録され…

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長編小説「窓の外を見てください」の第四回です。日高は、前回の先輩作家夏木冬彦との対談を依頼した編集者…

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窓の外を見てください 3

「窓の外を見てください」の第三話は、東京に戻った日高祐介に、先輩作家夏木冬彦との対談の仕事が持ちかけ…

例外のほうが好き

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駅のカフェで、二人の男性が話しています。一人は、結婚を決めたばかりの25歳、もう一人は、彼の大学時代…

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長編小説「窓の外を見てください」の第二回にあたる部分です。ライターの日高祐介は、新しい短編小説を書く…

窓の外を見てください 1

窓の外を見てください 1

2019年7月に発売された長編小説「窓の外を見てください」の冒頭部分ですが、物語の構造上もストーリー…

ユー・アンド・ミー・ソング

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2016年発売の短編集「と、彼女は言った」の掉尾を飾ったのが、北欧のバンドであるワナディーズの199…

人生は野菜スープ

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1975年に野生時代に発表され、1980年に同名の短編集に収録された作品とは全く別の、2015年に群…

吉祥寺ではコーヒーを飲まない

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最近、頻繁に俳優の弟から電話がかかってくるのが少し気になった姉は、引っ越そうと考えている吉祥寺で弟と…

どこから来て、どこへ

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仕事で訪れた町の駅で、北尾裕之は高校時代からの友人で作家の根岸忠幸に声をかけられます。平日の夕方、五…

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バスに乗ることで終わる2種類の短編小説の終わらせ方についての物語。なにげなく訪れた神保町の古書店らし…

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作家の森崎和也の家に、高校時代からの友人で人気俳優の稲葉明弘が不意に訪ねてきます。二人はあり合わせの…

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エッセイ

コーヒーに俳句が溶けていく

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「スキヤキ」の次は「スシ」だった

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かき氷は食べましたか

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旅は日曜日に始まる

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旅先にうまい水あり

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「旅先にうまい水あり」というフレーズは、友人からもらったものだ。このタイトルでな…

湯麺がひとつ本棚にある

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 南口にくらべると北口の商店街は静かだ。歩いている人の数が少ないし、若い人たちを…

東京はなにの都か

東京はなにの都か

 水の都はヴェニスだ。映画の都はハリウッド、そして花の都はパリだ。この場合の花と…

弁当の秋

弁当の秋

 自分が久しく食べていないものはなにだろうか、と秋の始まりの街を歩きながら、ふと…

醬油味への懐疑の念とは

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 自分が食べたものに関する記憶で、もっとも遠くまでさかのぼることの出来る記憶は、…

定刻に五分遅れた

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 一九六〇年代の終わり近く、ひょっとしたら一九七〇年代に入ってから、確か月刊総合…

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 一九六六年だった、ということにしておこう。誤差はあったとしても、せいぜい半年か…

まず一杯の水をテーブルに

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 高台の自宅のすぐ近くに階段がある。数えた人によると百三十段あるそうだ。風情のあ…

こうして居酒屋は秋になる

こうして居酒屋は秋になる

鯖の文化干し 豚の角煮 ゆ柚ず子白菜 鳥軟骨揚げ かま焼き えんどう豆 塩らっき…

栗きんとんと蒲鉾のあいだ

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 今年の夏は夏至の日に鰻を食べた。確か知人たちふたりといっしょに、三人で。僕は鰻…

大瀧詠一追悼 僕があたえられた役割、書くということ 成瀬巳喜男をめぐる 第四回

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 ゆきこは辻という名前なのだと、ようやく僕は発見した。旅館の女性従業員が、ゆきこ…

洋食屋から歩いて五分で古本屋

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 中年の男性ひとり。年齢不詳という佳境にさしかかっているがゆえに、妙齢という言葉…

大瀧詠一追悼 物語はこのように始まり、このように終わる 成瀬巳喜男をめぐる 第三回

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 平日の朝、ハルオは登校していく。彼以外にも子供たちが何人か歩いている。学校に向…

料理本の思想

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 毎日の食事でいちばん大切なのは、おいしく食べることだと僕は思う。おいしい食べか…

大瀧詠一追悼 物語はこのように始まり、このように終わる 成瀬巳喜男をめぐる 第二回

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一杯だけのコーヒーから

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 コーヒー豆のことは英語でもコーヒー・ビーンズと呼ばれている。しかしあれは豆では…

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書 評

彼は二十一歳、ヘア・クリームでなでつけたDAは栗色に輝いていた

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 エルヴィス・プレスリーのファンにとって、『エルヴィス'56』という写真集は、も…

『タランチュラ』あとがき

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 ボブ・ディランの『タランチュラ』は、難解である、とよく言われているが、けっして…

言葉のなかだけにある日本をさまよう

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「ザ・コンプリート ピーナッツ」

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ふたとおりの恐怖がやがてひとつになる

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〈書評〉東京大空襲・戦災資料センター監修 山辺昌彦・井上祐子…

知らなかった東京が浮かび出てくる

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〈書評〉佐藤洋一著『米軍が見た東京1945秋  終わりの風…

姿を隠したままの存在に気づこう

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〈書評〉朝日新聞出版編『復刻アサヒグラフ昭和二十年  日本…

戦争は、写真うつりがいい

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『アメリカ海軍の戦争写真』というタイトルの写真集を、僕はいま見ている。《真珠湾か…

英文字は急速に日本語になりつつある

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〈書評〉キャサリン・A・クラフト著 里中哲彦編訳『日本人の9…

モカを飲んだらその歴史も知ろう

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〈書評〉旦部幸博著『珈琲の世界史』  日が少しだけ長く…

消えた東京はゼニ・カネのために消えた

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〈書評〉富岡畦草、富岡三智子、鵜澤碧美著『変貌する都市の記録…

食事も酒も論理でつながれている

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〈書評〉石田千著『箸もてば』  題名の『箸もてば』とは…

人生を自分で考えるための材料集

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〈書評〉竹信三恵子著『正社員消滅』  当時の私は「正社…

バブルは消えたのか、目の前にあるのか

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〈書評〉永野健二著『バブル 日本迷走の原点 1980—198…

映画には「消えた東京」が残っている

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〈書評〉宮崎祐治著『東京映画地図』  ひとりの読者とし…

読まなくても本質に触れた気持ち

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〈書評〉岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美著『「罪と…

巨匠と名優の軌跡の合流を読む幸せ

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〈書評〉グレン・フランクル著 高見浩訳『捜索者  西部劇の…

自己啓発本が前提としているもの

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〈書評〉牧野智和著『日常に侵入する自己啓発  生き方・手帳…

ポテトでアメリカ文化が手に入る幸福

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〈書評〉マーナ・デイヴィス著 伊丹十三訳『ポテト・ブック』復…

報道だからこそいまも魅力を失っていない

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〈書評〉木村伊兵衛著『木村伊兵衛のパリ ポケット版』 …

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評 論

通訳は位置についたか

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 早くも十年は前のことになるかと思うが、G5会議の様子が報道されるのを、僕はアメ…

対話をしない人

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ほんの一瞬がポートレートとして後世に残る

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1957年のラブ・ミー・テンダー

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エルヴィスから始まった

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『エルヴィスから始まった』(『ぼくはプレスリーが大好き』改題)を電子書籍として無…

チェックアウトはいつでも出来る

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 一九七一年にリンダ・ロンシュタットのバンドとして彼女とツアーに出ていたとき、自…

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「ハリーだってよ」  と自分が言ったのを、いまでも僕は覚えている。レコード店の…

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 No Direction Homeは二〇〇五年にマーティン・スコセッシのコピー…

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 太平洋でのアメリカとの戦争をめぐって、もう戦争は終わりにしようと言う一派と、徹…

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 一九四五年の七月、日本に対して連合国側から、降伏してはどうかという勧告があった…

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 映画の冒頭、タイトルよりも先に、「撃ちてし止まむ」という言葉が画面に出る。この…

『さようならの季節』

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一九六二年一月/日活〔監督〕滝沢英輔〔出演〕浜田光夫・香月美奈子 他 『さよう…

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一九六二年三月/日活〔監督〕舛田利雄〔出演〕坂本九・浜田光夫 他  中村八大の…

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