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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

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作品一覧

公開作品 1341

あすへの話題 ここに日本がある

あすへの話題 ここに日本がある

編集者と打ち合わせを終え、僕たちふたりは駅まで戻った。途中、彼は三階建ての雑居ビルを指差し、「カタオ…

あすへの話題 あの歌から四十年

あすへの話題 あの歌から四十年

八代亜紀さんの新しいCD『夜のアルバム』のライナーノートに二〇〇〇字の物語を書いた。曲目を解説しても…

あすへの話題 B5の再生紙を五枚

あすへの話題 B5の再生紙を五枚

B5サイズのコピー用紙を五枚、横置きにそろえる。それを縦に三等分に折りたたむ。長方形が出来上がる。こ…

鉛筆を削って叱られた

鉛筆を削って叱られた

二百字詰めの原稿用紙を数万枚作ってそれを使い果たした頃、小型で普及品のワード・プロセサーが登場した。…

トイレット・ボウルにおける挫折

トイレット・ボウルにおける挫折

洗面室のなかで彼女は三面鏡と向き合っていた。電話が鳴った。洗面台の右端に充電器があり、そこに固定電話…

偶然の成りゆき、という題名

偶然の成りゆき、という題名

日本語でカジュアルと言うと、主として服装における気楽で略式な様子だけを意味するが、英語ではそのような…

細切りにしたジャガイモのから揚げ

細切りにしたジャガイモのから揚げ

さまざまにあるジャガイモの食べかたのなかで、たとえるなら北極星の位置にあるのが、フレンチ・フライド・…

ナポリへの道はまだ続く

ナポリへの道はまだ続く

昭和二十五年と言えば、太平洋戦争における日本のあの大敗戦から、まだ五年しかたっていない。そしてその日…

引きずる人は叱られた

引きずる人は叱られた

「引きずったら叱られましたよね、子供の頃」「ふとしたいろんな場面で、引きずるな、と大人に叱られた記憶…

砂浜に書いた愛の文字

砂浜に書いた愛の文字

高校生の頃の記憶はいまやすべて淡く、その輪郭はぼやけているが、そんな僕でも当時のアメリカのポピュラー…

時の過ぎゆくままに

時の過ぎゆくままに

映画『カサブランカ』は、ハリウッドの黄金時代にワーナーがスター・システムのもとに、ルーティーンとして…

天麩羅蕎麦はこうして生まれた

天麩羅蕎麦はこうして生まれた

 江戸には浮遊人口が多かった。江戸以外のところから江戸に向けて、数多くの人たちが流入していたからだ。…

「ザ・トーキョー・ブルース」に重なる「東京ブルース」

「ザ・トーキョー・ブルース」に重なる「東京ブルース」

戦後から続いていた、アメリカやヨーロッパの大衆文化の最新情報をめぐる鎖国に近い状態は、一九五〇年代の…

読みそこなったいくつかの物語

読みそこなったいくつかの物語

僕が二十代前半の頃は、日本全国いたるところにバーがあり、たいていの店は盛況をきわめていた。見ず知らず…

一冊の小説を読む途中

一冊の小説を読む途中

かつてアメリカは中産階級の栄える国として讃えられた。しかし、中産階級とは、つまりは工場労働者のことだ…

この世の果てで、ごめんなさい

この世の果てで、ごめんなさい

一九六四年の日本でヒットしたブレンダ・リーによるこの三つの歌は、僕にとっては二十代と重なっていた一九…

手帳が溜息をつく

手帳が溜息をつく

モールスキンの手帳が、文具店で見かけるたびに何冊かずつ買ってきた結果として、七十六冊になった。使いた…

商店街が終わって三叉路になるところ

商店街が終わって三叉路になるところ

世界でもっとも多くの人に録音された歌は「枯葉」だということになっているが、それに次ぐものを探すと、「…

サンエツ、ニシタケ、コダワラの女たち

サンエツ、ニシタケ、コダワラの女たち

ごく最近、小田急線の電車のなかで、コダワラという地名を僕は聞いた。僕の聞き違いかと思い、しばらく注意…

真夏のシャーロック・ホームズ

真夏のシャーロック・ホームズ

シャーロック・ホームズを原文のコンプリートで持っていたいという願望には、理由がふたつある。ひとつは、…

日常とは不気味な世界のことなのか

日常とは不気味な世界のことなのか

日常のなかの不気味さ、という言いかたがあるけれど、日常とはそのぜんたいが、そもそも不気味なものなのだ

東京の幾歳月

東京の幾歳月

四十年、五十年、さらにはもっと長いあいだあり続けた家には、家の内部にも外部にも幾歳月の時間が宿る。

東京の情緒 その2

東京の情緒 その2

鉄則をひとつ守ると、それと引き換えに幸せがひとつ、手に入る……。

同級生の母と歩いた道

同級生の母と歩いた道

母ひとり息子ひとりだった友だちが大阪に就職した年の夏の初め、駅の近くで彼の母親に偶然会った。

安堵して撮る被写体とはなにか

安堵して撮る被写体とはなにか

落ち着き、安心、安堵、といったものの上に立って、僕は撮ることを楽しんでいる。