先見日記 薬局はなぜ激変したか
先週は地元の商店街の消滅について書いた。今週はその続きとして、薬局について書こうと思う。地元商店街に一軒ないし二軒、かならずあった薬局は、消滅するかわりに激変をとげて、現在にいたっている。商店街のなかにあって人々の日常を支える役を果たしていたさまざまな店のなかで、薬局ほど激しく変化した店は、ほかに例がないだろう。期間にしてほんの30年あるいは35年ほどのあいだに、昔の薬局は姿を消し、いまのドラグ・ストアへと変わった。この大きな変化のなかにも、日本人がそれまでの日本人とは別人へと変化していった過程を見ることができる。
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『先見日記』二〇〇三年七月一日
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