先見日記 ある日の買い物
いつも電車を乗り降りする私鉄の駅の建物と合体して、スーパーマーケットがある。改札を出てすぐに入れるのが二階で、ここには衣料品を含めた日常の生活雑貨がならんでいる。一階は食料品売り場だ。二階から入って一階へと、たまに僕はこの店内を見物して歩く。買うのは半年に一度の蛍光管くらいだから、見物するとそのたびに、目にするものすべてがなんとなく珍しい。
見るだけだと印象は淡いし感銘は残らないことに気づいた僕は、ここで買い物をしてみることにした。一階の食料品売り場を、かごを持って歩きまわった。買うものがないというか、買う気が起きな…
『先見日記』二〇〇三年五月十三日
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