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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

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作品一覧

公開作品 1898

渡り鳥と寿司について

渡り鳥と寿司について

 一九六一年には大学の三年生だった僕は、その年の夏を房総半島の館山で過ごした。なぜ館山だったのか、い…

虚ろな内側をよく見ておきなさい

虚ろな内側をよく見ておきなさい

 ジュリー・ロンドンが歌う「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の歌い出しは、三とおりのマイナー・コード…

日本のMの字 その2

日本のMの字 その2

日本のMの字 その2  ここにもあのMの字がある、と思って撮ったのではない。グラフィックな面白…

デラックス・ダブル

デラックス・ダブル

 ものすごく暑い日だった。かんかん照りだった。そして湿度が、限度いっぱいに高かった。暑さとかさなりあ…

江戸を歩く

江戸を歩く

江戸を歩く  このふたつの光景は、おたがいによく似ている。よく似ていると言うよりも、同一である…

「あんた、なに食う?」

「あんた、なに食う?」

 ホノルルの下町の、日系人たちが主として日常的に利用する安食堂の雰囲気を言葉で描写するのはなかなかむ…

やがてはカウボーイも、インディアンとおなじく保護居住地に囲われる身となるだろう、と本物の西部男が言っている。

やがてはカウボーイも、インディアンとおなじく保護居住地に囲われる身となるだろう、と本物の西部男が言っている。

 モンタナ州とアイダホ州の州境を、大陸分水嶺が東へむかってのびてくる。ワイオミング州の西側の州境にぶ…

なにしろ虚構という夢の工場だから、ハリウッドの話題はつきない

なにしろ虚構という夢の工場だから、ハリウッドの話題はつきない

──片岡さんは、戯曲は読みますか。結びつかないような気もするのですが。  ときどき読みたくなって、…

時間のテーマ・パークを

時間のテーマ・パークを

時間のテーマ・パークを  建てられてからすでに存分な量の時間が経過しているがゆえに、それじたい…

ミッキーマウス・カントリー

ミッキーマウス・カントリー

 ミッキー・マウスの帽子をぼくはまだ持っている。ずいぶん昔に買った帽子だ。なにしろディズニー・ランド…

内省のアクア・マリーン

内省のアクア・マリーン

 目を覚ます直前、ほんの一瞬、水のなかに浮かんでいる感覚がある。その感覚のなかを自分は上昇していく。…

キイチゴはどこに実っていたか

キイチゴはどこに実っていたか

 電話が、鳴った。  きまぐれをおこして、ぼくはその電話に出てみた。 「私です」  と、電話の…

カルピスについて思う

カルピスについて思う

 少なくとも僕の体験のなかでは、カルピスは女性と深く結びついている。カルピスは僕の幼年期から青年期に…

食卓には花を!

食卓には花を!

 アパートメントの部屋を、彼女は出てきた。彼女の部屋は三階にある。小ぶりなアパートメントだが、ユニッ…

ドル安・円高の方向とは

ドル安・円高の方向とは

二〇〇三年十一月七日(*日付については、「まえがき」参照)  製品を作ってそれを外国へ輸出し販売す…

すべての価値は個人から始まる

すべての価値は個人から始まる

 アメリカ的な価値を主題とした、さまざまな文章を集めたアンソロジーだ。隅から隅まで熟読して確認で…

ドライ・マティニが口をきく

ドライ・マティニが口をきく

 仕事をおえて、ビルから外へ出てくる。  まだ、明るい。  夏は、これだから、いい。  仕事を…

日時計の影

日時計の影

 昼間なら広い庭を見渡すことの出来る窓辺のテーブルで、ぼくは彼女と親しくさしむかいだった。遅い夕食を…

会社で学んだこと

会社で学んだこと

 会社に就職するとどうなるのかという僕の好奇心に、わずか三か月ではあったけれど、会社は充分に答えてく…

彼女が雨を見る態度

彼女が雨を見る態度

 1   秋の雨の頃、仕事の帰りに彼女は京都に一泊した。京都は雨だった。その雨の京都から、彼女は、…

ふたりは一九六六年を思い出す

ふたりは一九六六年を思い出す

 ビートルズが日本に来たとき、ぼくはいわゆる「社会人」となって仕事をしていた。フリーランスのライター…

どこにでも部屋を作る才能

どこにでも部屋を作る才能

 彼女はテントをいくつも持っている。興味を引くテントを見ると買ってしまう。だからいつのまにか数多くな…

登場人物たちの住む部屋

登場人物たちの住む部屋

 ぼくは十五年以上にわたって、小説を書いてきた。書いている当人にとっては、真剣な遊びのようなものであ…

波止場通りを左に曲がる

波止場通りを左に曲がる

 デビューしてまだ間もない頃の美空ひばりを、何点もの写真で見ることができる。多くの写真に彼女は撮られ…

金曜日の午後の飛行機だった

金曜日の午後の飛行機だった

 二階にあるコーヒー・ショップの、奥の窓ぎわの席で、ふたりは小さなテーブルをはさんでさしむかいにすわ…