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エッセイ

定刻に五分遅れた

 一九六〇年代の終わり近く、ひょっとしたら一九七〇年代に入ってから、確か月刊総合雑誌の編集部から、吉行淳之介さんとの対談を僕は依頼された。当時の僕はまだ小説を書いてはおらず、それ以外のさまざまな文章を書く、間もなく三十歳になろうとするフリーランスのライターだった。
 いろんな領域で活躍している、しかし一般的には知られていないはずの、ちょっと変わった面白い人物を何人か編集部が選び出し、吉行さんの希望を取り入れた上で、毎月ひとりずつ対談しては雑誌に掲載していくという企画で選ばれたひとりが、僕だったようだ。
 暑くも…

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