悲しき雨音煙草をやめた人やがて隠者になるのかハイウェイのある風景に挽歌がスニーク・インアメリカはここからがもっとも面白いジャスト・マイ・サイズ本を三冊買う幼い頃から現在までの僕に対して、本というものが果たした素晴らしい役割一冊のペーパーバックは、日常ではない時間の象徴だ『路上にて』を買いそこなう荒野に吹く風ぼくの好きな大空間表現された秋、という荒野を歩いてみた自分のことをワシと呼んだかアップル・サイダーと彼女本が僕に向かって旅をする一本の鉛筆からすべては始まる二百字詰め原稿用紙八百枚万年筆で書く万年筆についての文章じつはホットなままにこうして覚えた日本語静止と列挙と固い枠文房具を買いに2013社員証と高い付加価値日本語のお勉強彼女から届く絵葉書いちばん大事なアメリカ製品は、なにですかノートブックに描いた風景画だから三歳児は泣いた「理解」などするからいけない十二月のハワイは波乗りシーズンのちょうどまんなか理想主義の炎を燃やしつづけるために女性ボディビルダーの魅力を支える、苦しみの個人史三十日間で悲しみを克服する法彼らが愛する女性たちの外観ガーフィールドは、ただ単に猫であるだけでは、満足しないカートゥーンという素晴らしいものが、アメリカから消えてゆく六〇年代移民の子の旅 1 ホノルル、一八六八年フリーダムを守ることが3Kになったら、その国はもはや国ではない二十五セントの切手一枚から学ぶ、アメリカの歴史と現在忘れがたき故郷ただひとり東京と向き合う写真の学校に学んだなら太陽の直射光と簾の相性いま高校生なら僕は中退するいつかどこかで過去と未来から切り離されて「と思います」をめぐってそれを環境と呼ぶかなにもしなかった4年間四歳の子供がそれを見た性悪説でいこうかなにも言わない人察し合いはいかに変形したか東京の情緒書き順と習字身のうえ話 その1簾と提灯のグラフィックス一九五七年の春をさまようガールたちの戦後史東京で電車に乗ると、なにが見えますか主体でも客体でもなく縦書きか横書きか作家とはなにかペラペラとはなにだったかいつもの自分の、いつもの日本語言葉はきわめて人工的に身につく主体的に判断しながら様子を見る日本平成十一年の五つの安心世界はすべて片仮名のなか日本のMの字映画の中の昭和30年代 『山の音』「の」の字のコレクション今日も小田急線に乗る憧れのハワイ航路シジミ汁のシジミを数えよう!風景のなかにむき出しでほうり出されてホンダの90CCでマイアミからLAまで走ったら、ガソリン代はなんと二十ドルだったというハイウエイ・ストーリー。「解釈憲法」の命日となる日小さな旅、愉快な思い出少年たちの共和国生まれてはじめての旅風をかっさらうようにして、チョッパーがハイウエイをまっすぐに飛んでいく。よく冷えたバドワイザーが手近にあるマヨネーズが変わった日アイスキャンディノートブックウディ・アレンについて、僕のコメントギアを8段に落とし、町の少年たちの野球を双眼鏡で見ながら西へ母の三原則『江戸でシャンペイン』『長距離ライダーの憂鬱』『桔梗が咲いた』『メイン・テーマ3』『幸せは白いTシャツ』『ときには星の下で眠る』『彼のオートバイ、彼女の島』『スローなブギにしてくれ』ほろりと泣いて正解ロッキング・チェア荒野の風はサンドペーパーテキーラの陽が昇る渋谷の横町を、植草さんのとおりに歩くぼくはなぜブローティガンをいちどにぜんぶ読まないかマグリットの絵のように道路の小説を書きたい6月1日 ポンティアック白い、半袖のシャツドナルド・ダックのほうがずっといい森永ミルク・キャラメルの箱思い出のバブル・ガム金魚と散歩だ傘の記念写真を撮った日ABCで苦労する子供たちと、ひらがなで楽をする子供たち東京の隙間を生きる「弱い円が日本の政策である」午後の紅茶の時間とはただそれだけの十六年戦後日本の転換点『オール・マイ・ラヴィング』のシングル盤あの店でコーヒーを飲みたいお詫び申し上げる人手帳のなかのお天気海岸にて、というタイトルでなにか書いてください君はいま島へ帰る長距離トラックと雨嵐第九条電車の中で食べましたオードリーの記憶ホノルルのダウンタウン、キングス・ベーカリーから、ハワイアン・スィート・ブレッドをお届けしますストーリーは銀行に預金してあるなぜなら|アビーロードのB面正解はブラック・コーヒーの色貝がら売りの泣きむし男ブックストアで待ちあわせベティがあんなに走ってる!少年とラジオ思い出すのはアメリカ式朝ごはん物語を買いまくる時代その重荷を背負う|アビーロードのB面カーメン・キャヴァレロ秩父がチャイチャイブーだなんて、すごいじゃないか風に吹かれて謎になるこれがクリスマスの物語あの夜はホワイト・クリスマス服は雄弁な言葉だ。気をつけて着こなそう服を見ればわかる大統領命令と日本カウボーイ・ブーツ誰がいちばん初めに波に乗ったのかクリスマスと五人の娘たち民主主義は買えなかった一九四五年秋、民主主義の始まりドーナツの穴が残っている皿雨の京都で下書きをする夏は終わる。しかしサーファーにはなれる大陸のエネルギーと大海原のエネルギーデリア・エフロンの二冊の本が描く、アメリカの子供の世界父親と万年筆五つの夏の物語少年食物誌最終的な課題はぜんたいのスペースだ8月25日 噴水「不断の努力によって」深まりゆく秋です現実に引きずられる国雨の夜のドライ・ジンゴールデン・スランバーズ|アビーロードのB面とてもいい友人どうしひとりのバイク好きの思い入れ集だから彼らはいまでも半人前が好き紀子が住んでいた家僕の肩書は(お利口)としたい僕がもっとも好いている海岸ハワイのいなり寿司ハワイみやげの作りかた──その完璧な一例彼女の林檎女王陛下|アビーロードのB面陽が射してきた|アビーロードのB面『彼のオートバイ、彼女の島 2』彼女たちに名前をつけるとき彼女の部屋の、ジャズのLP人生は引っ越し荷物その光を僕も見た昼月の幸福映画とヒット・ソングと、大事な彼女いまも思い出す、あのひと言四季のひとめぐり人にあらざる人日は暮れた、道はどこ故郷へ帰りたい4月1日 本物ホノルル・ブックストアへ歩くまでにハイウエイのかたわらに立つ、巨大なドーナツや恐竜複眼とはなにかくっきりとした輪郭としての寒い季節僕はきみが欲しい|アビーロードのB面アイスクリームには謎がある一台のオートバイが、ひとりの現代人を不安から救ったひとりでアイディアをつつきまわす午後いきづまりに立ち会ういま、ここにある、自分の場所小さな島にいると自分がよくわかる、という話ジェーン・フォンダというアメリカ女性の場合自分とはなにか自分らしさを仕事にする「時代」は「自分」にまかせろ喫茶店を体が覚える交差点の青信号を待ちながら植草さんの日記に注釈をつける七月一日、朝、快晴。円満退社日本史のなかの最初の国民投票そして国家がなくなった内容のある良き忠告海岸の古びた一軒家で、ソリッドな食事をし煙草を吸わないいかに生きたら、もっともかっこういいか彼女は彼を愛していた風に恋したきまぐれ飛行船君はなぜ恋しいか美しい謎の霧子はどこへ消えたのか子供のままの自分国語の勉強は、実はほんとうの社会科の勉強だったという話プラモデルラスト・アメリカン・カウボーイある種の恋人は現場に戻って回想する10月14日 手紙リトル・ゴールデン・ブックスを開くと子供の頃のぼくがいるL・L・ビーン社のアウトドアーズ哲学をつくった人ロングボードの宇宙おそすぎたラブレター恋愛小説のむこう側『影の外に出る』まえがき2月2日 メイン・テーマ壁面とマネキンの街を歩くミスタ・マスタード|アビーロードのB面めだかと空と貨物列車5月11日 男物のシャツ道という道をぜんぶ深夜の地獄めぐり見られることから始まる水鉄砲を買う人一月一日、消印はモンパルナス読んでから観ても、観てから読んでも、映画は面白い勉強だ青春映画スターとの再会『結婚の生態』一九四一年(昭和十六年)『東京ラプソディ』一九三六年(昭和十一年)自分の意味が消えるとき青空とカレーライス1月12日 父のシャツお母ちゃんという人1月20日 私の学校それも姉が教えてくれたアイダホ州のジャガイモ自然から遠く離れて創意と工夫との結果による、まったく新しいもの12月31日 1月1日のこと課題人生論日米関係は四文字熟語か日本語で生きるとは日本語は室内用の私的な言葉だ。男と女のとりとめのない会話から始まる、思いがけないこと西陽の当たる家猫が階段で寝ているオートミールの朝食古い雑誌はタイム・マシーンだ、すてないで大事にとっておきたまえ、と誰かがどこかで言っていたこのとおりに過ごした一日コーヒーもう一杯雨の午後、コーヒー・ショップで身を守ってくれる日本語オン・ザ・ロードとはオートバイはぼくの先生太平洋の海底地図を見ながら十四年まえのペーパーバック絶望のパートタイム・サーファー過去とはつながっていたほうがいいピーナツ・バターで始める朝11月1日 演説長期低迷経済の丸飲みまたたく星が、にじんでこぼれるなにもなしで始めたステーション・ワゴン人は誰もが物語のなかを生きる人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ上を向いてスキヤキ8月12日 避暑地あの夏の女たちサン・キング|アビーロードのB面3月20日 写真地球を照らす太陽光の純粋な原形システム手帳とはなにか旅と小説はどのように関係し合うのか対等に開放された関係の物語スター軍曹が降ってくる小さな白い落下傘ターザンが教えてくれたタクシーで聴いた歌「抵抗勢力」と「バブルの崩壊」猫のことを書くならThe End|アビーロードのB面丘の上の愚者は、頭のなかの目でなにを見たのだったかこの国の動きかたジン・ボ・チョへの道江戸時代に英語の人となる爆弾の穴について思う雨の夜、電話ブースで待っていた彼が愛した樹考えるとはなになのか流域は文明の発祥の地昔のハワイという時空間への小さな入口宇宙の時間と空間のなかへタイム・トラヴェルでどこへいこうかトーストにベーコン・アンド・エッグス、そして紅茶今日は海岸で雲を見る陽が沈むころ、オンボロ自動車で波乗りフィルムを見に行く遠い昔の日に死語と遊ぶひとときこれが天使の町だって?基本英単語について『ハワイ・マレー沖海戦』一九四二年(昭和十七年)半世紀を越えてさぼったこと「思いやり」予算の英訳ヒロの一本椰子『草枕』のような旅をアロハ・シャツと小説の主題ハネムーナーズ・カクテルどこにもないハワイへの行きかたアロハ・シャツの歴史を旅する波乗りとは、最終的には、心の状態だ僕にとっての個人的なスタンダードハワイの田舎町を訪ね歩く南の海の小さな島に誘惑されて早稲の田に風はほんとに吹いたか3月7日 弁当1月7日 ダブル・バーガー林檎の樹の下で5月15日 林檎の樹西ヴァージニア州シェナンドア河英語で読むとよくわかる日本日常の現実にかまけていると本を読む時間はどこにもないならず者街道を旅したロバート・レッドフォードは、フロンティア時代の残り香のむこうに次の時代の巨大な影を見た。我々は連合してここに存続する、と一羽の鳥が言う日本の主権のなかにあるアメリカ「日本はアメリカとともにあります」と首相は言った禁止することの快感「国際社会の平和と繁栄」とは岩波写真文庫が切り取ったモノクロームのアメリカアメリカの小さな町アメリカのまんなかにダイナーがあった4サイクル・ツイン11月2日 六〇年代退社までの九十日間について『東京の宿』一九三五年(昭和十年)知らぬ町 雨の一日 冬至なり千四百兆円分の身の危険トリップ・カウンター・ブルースだってよノートブックに書きなさい、とツバメが言うおいしかった二杯の紅茶二本の映画と一杯のコーヒータイプライターの追憶10月22日 台風僕が一度だけ見たUFO男だって子供を生まない発情期少年の興味にこたえて、アメリカのSFがはじまった噓と隠蔽の国日本語が消えていく新品にはとうてい真似のできないこと信号待ち「わからない」と答える人たち僕はわき見をしていたい『湾岸道路』結婚する理由がない、と彼女が言う広島の真珠鉛筆を削る楽しさサンフランシスコ湾ブルース虚構のなかを生きるジャパニーズ・スタイルを撮ってみましょうこの貧しい街の歌を聴いたかい時間はここでもまっすぐに突っ走ったパムとはパミラのことか|アビーロードのB面物価とはなにか雨と霧と雲と雨の京都、主演女優、そして発泡する日本酒誰もがリアリズムの外でレッドウッドの森から写真を撮っておけばよかった後悔くらいしてみたい理想の窓辺にすわるときロードライダー道路への関心と小説ローマ字で書かれた駅名、という謎最初から絶対に孤独な人たちサラリーマンという人生の成功遙かなる同時代散歩して鮫に会うなぜいま僕はここにいるのだろうか僕たちのはじめての海正社員という絶滅危惧種蟹に指をはさまれた彼女は浴室の窓から入って来た|アビーロードのB面庶民の不安はどこから5月27日 ショート・ショートある日ぼくは典型的な山村をながめに新幹線ででかけた菖蒲湯そして乾杯一冊の素晴らしい本を読んだ。そして僕は、地球に別れを告げる旅に出た空という偉大な絵画渋谷から京橋まで眠る祖父のポケット・ナイフ風と紅茶の一日女性作家の作品を支持する女性たちがニューヨークへ消えていく町にまだレコード店があった頃より良き日本語の人いつも代金を払わない男|アビーロードのB面一九六二年、古き佳きアメリカが『サタデー・イヴニング・ポスト』誌の表紙に描かれていた頃『蛇の目でお迎え』はこう作られた「そいつぁ、いかすぜ」彼の後輪が滑った 検 索 評論・エッセイ
作品一覧 公開作品 2268 75 76 77 78 傘の記念写真を撮った日 傘の記念写真を撮った日 傘は絵になる、という法則は充分に成立する、と僕は思う。日常生活のなか… 読 む 金魚と散歩だ 梅雨の晴れ間、平日の午後、約束どおりの時間に、僕はその喫茶店の自動ドアを入った。彼女が指定した喫茶… 読 む 思い出のバブル・ガム アメリカの駄菓子の記憶としていまも僕のなかでもっとも鮮明なのは、リコリスの味と香りだ。リコリスは甘… 読 む 森永ミルク・キャラメルの箱 掌サイズ、という言葉がある。片方の掌に収まる、あるいは片方の掌だけで楽に持てる、というサイズを総称… 読 む ドナルド・ダックのほうがずっといい ドナルド・ダックの鉛筆削り、というものをぼくは子供のころ持っていた。ドナルドの胸から上がかたどって… 読 む 白い、半袖のシャツ 「あれから、十二年?」 と、彼女がきいた。 「たいしたこと、ないよ」 ぼくが、答えた。 … 読 む 6月1日 ポンティアック ほんのすこしだけ昔の、あるいは大いに昔の、アメリカの自動車についてあれこれ考えていたら、懐かしい名… 読 む 道路の小説を書きたい ぼくは日本の地形と気候が好きだ。地形も気候も、ともに独特であり、このふたつが重なりあった日本は、興… 読 む マグリットの絵のように 梅雨(つゆ)が近い。しかし今日は晴れていた。海と海岸の上に青い空が広がり、夏のような陽ざしが満ちて… 読 む ぼくはなぜブローティガンをいちどにぜんぶ読まないか 丹後半島で白い灯台を見たあと汽車を乗りつぎ、最終的には新幹線で東京へ帰ってきた。 6月の東京は… 読 む 渋谷の横町を、植草さんのとおりに歩く 植草(うえくさ)さんの全集『植草甚一スクラップブック』には、毎回、月報がついていた。その月報には、… 読 む テキーラの陽が昇る 会議は二時間、続いた。十五分の休憩があり、会議は再開された。それから一時間が経過していた。さらに一… 読 む 荒野の風はサンドペーパー 早朝から、かんかん照りだった。 ついになにかが巨大に狂ったのではないかと誰もが思うような、まっ… 読 む ロッキング・チェア アメリカの中西部、人口が一〇〇〇名に満たない小さな田舎町の町はずれに、その家はあった。大平原地帯の… 読 む ほろりと泣いて正解 もう何年かまえのことになるが、季節はちょうどいまごろだった。 よく晴れた明るい日の夕方、ぼくは… 読 む 『スローなブギにしてくれ』 角川文庫から出た僕の作品の、最初から数えて四作めに、『スローなブギにしてくれ』というのがある。一九… 読 む 『彼のオートバイ、彼女の島』 これが文庫本になったのは一九八〇年のことだ。それ以前に単行本で出ていた時期が、三年はあったのではな… 読 む 『ときには星の下で眠る』 一九八〇年までさかのぼると、『ときには星の下で眠る』という、中編よりやや分量の多い小説がある。高校… 読 む 『幸せは白いTシャツ』 一九九四年の夏に出た『狙撃者がいる』が、いまのところ僕にとってもっとも新しい角川文庫だ。そこから『… 読 む 『メイン・テーマ3』 『桔梗が咲いた』よりも前、一九八六年の一月に、『メイン・テーマ3』という小説が、おなじく書き下ろしと… 読 む 『桔梗が咲いた』 オートバイを探して自分の書いた角川文庫をさらに過去に向けてさかのぼると、一九八六年の十一月に刊行さ… 読 む 『長距離ライダーの憂鬱』 この『雨降り花』*が編中編として出て来る『波と風のグッド・ニュース』は、今年つまり一九九五年の四月… 読 む 『江戸でシャンペイン』 僕がこの文章を書いているいまは、一九九五年の十二月だ。ついでに日付と時間を書いておこう。十五日の午… 読 む 母の三原則 あなたのお母さんに関してもっとも印象に残っていることはなにですかと、ごく最近、人に訊かれた。尋問の… 読 む ギアを8段に落とし、町の少年たちの野球を双眼鏡で見ながら西へ エア・コンディショナーによってととのえられた機械じかけの空気が、トラックの運転室に満ちていた。 … 読 む 75 76 77 78