VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

『メイン・テーマ3』

『桔梗が咲いた』よりも前、一九八六年の一月に、『メイン・テーマ3』という小説が、おなじく書き下ろしとして角川文庫から刊行されている。このなかにオートバイに乗った人が出ているはずだ、と思って僕はページをくっていく。『メイン・テーマ』は1からスタートして12まで続く予定だった。幼稚園の先生である若い女性が、沖縄に職を得る。赴任するまでに時間のゆとりがあるので、その時間を利用して彼女はひとまず西に向けて、東京から出発する。彼女がアクションの主体であり、その彼女を補佐する役として、ひとりの青年が登場する。このふたりの、西に向けて、そして南に向…

このエントリーをはてなブックマークに追加