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エッセイ

荒野の風はサンドペーパー

 早朝から、かんかん照りだった。
 ついになにかが巨大に狂ったのではないかと誰もが思うような、まっ青な空から、地面のあらゆる部分にむけて、強烈な陽ざしがまっすぐに射しこまれつづけた。
 ぼくがオートバイで宿を出たとき、まだ朝の早い時間だったのだが、荒野はすでにその陽ざしを充分にくらって、満身創痍だった。
 どの方向を見渡しても、だだっ広い荒野は紫色にかすんだ地平線となって蒼空と溶け合っていた。
 おなじ光景が、出発のときからずっといままで、つづいている。自分はほんとうに東にむけて…

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