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評論・エッセイ

8月30日 ラハイナ

深いブルーの空からショッピング・センターのコンクリートの駐車場にむかって、強い陽射しが明るく照りつけている。その駐車場に面して、カフェテリアがあった。建物の片隅を、ふと思いついてカフェテリアにしたような、小さな店だ。店の内部には、せまい調理場と、出来あがった料理を客に手渡すカウンターとがあるだけで、食べるためのテーブルやベンチは、店の外にあった。厚い木材を使って無骨につくったテーブルとベンチが、店の前に張り出している簡単な屋根の下に、ならんでいた。
 ぼくがそのカフェテリアでおそい昼食をとったとき、お客はひとりもいなかっ…

底本:『すでに遥か彼方(かなた)』角川文庫 一九八五年
片岡義男エッセイ・コレクション『僕が書いたあの島』太田出版 一九九五年収載

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