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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

6月1日 ポンティアック

 ほんのすこしだけ昔の、あるいは大いに昔の、アメリカの自動車についてあれこれ考えていたら、懐かしい名前をたくさん思い出した。かつてぼくが親しんだアメリカ製の大きな自動車たちの名前だ。
 一九六六年のポンティアック・グランプリという自動車を久しぶりに思い出した。ぼくが知っているのは、2ドアだ。ボディは黄金色で、ルーフは黒だった。黄金色といってもキンキラではなく、たいへんに渋くてなおかつ華やかな、くすんだ黄金色だ。ピッチングとか、制動時の重いノーズ・ダイヴのくせとかを思い出すと、その当時つきあっていた女性のことも連鎖反応的に…

底本:『すでに遥か彼方』角川文庫 1985年

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