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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

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作品一覧

公開作品 2279

『オール・マイ・ラヴィング』のシングル盤

『オール・マイ・ラヴィング』のシングル盤

 おもに仕事の打ち合わせの場所として、その頃の僕は、その小さな喫茶店を毎日のように利用していた。ある…

猫のことを書くなら

猫のことを書くなら

 人から聞いた猫の話を書いておこう。それほど遠くはない過去の、ある日ある時、その人は仕事で訪れた町の…

大統領命令と日本

大統領命令と日本

 アメリカの大統領はミスタ・プレジデントであると同時に、コマンダー・イン・チーフでもある。コマンダー…

庶民の不安はどこから

庶民の不安はどこから

 庶民、という言葉に別の言葉がつき添うものの言い方に、どのようなものがあるか。名もなき庶民、というの…

遙かなる同時代

遙かなる同時代

 近所に住んでいたからおたがいにずっと以前から知っていて、僕のことをヨシオちゃんと呼んでいた年上の美…

身を守ってくれる日本語

身を守ってくれる日本語

 昭和二十年代から三十年代いっぱい、そして四十年代の後半に入るあたりまでの期間に製作・公開された日本…

僕がもっとも好いている海岸

僕がもっとも好いている海岸

 マウイ島のぜんたいを上空から見ると、人の胸像を横から見たような形をしている。その顎の下あたりにある…

東京の隙間を生きる

東京の隙間を生きる

 東京に生まれた僕は四、五歳くらいまでそこで育った。それから十年近く東京を離れたあと、戻って来てから…

女王陛下|アビーロードのB面

女王陛下|アビーロードのB面

 彼女はその日の午後、郵便局へ行った。オフィスの郵便物を出すためだ。窓口には数人の列が出来ていた。そ…

The End|アビーロードのB面

The End|アビーロードのB面

 彼女と彼は、抱き合っていた。相手の体に深く両腕をまわし合い、顔を接近させていた。そして赤い小ぶりな…

その重荷を背負う|アビーロードのB面

その重荷を背負う|アビーロードのB面

 彼はひとりで町を歩いていた。彼のすぐ前をふたりの男性が歩いていた。彼らは親しい友人どうしのようだっ…

君はなぜ恋しいか

君はなぜ恋しいか

 歌謡曲、あるいは流行歌、どちらでもいいけれど、もの心についてから現在にいたるまで、僕はそれらとどの…

噓と隠蔽の国

噓と隠蔽の国

 この本〔『日本語で生きるとは』1999年〕の冒頭に、「英語で生きる人」と題した部分がある。英語で生…

この国の動きかた

この国の動きかた

 政府が提出していた有事法制関連三法案が、第一五六回国会で成立することが確実になった。五月十四日、小…

ゴールデン・スランバーズ|アビーロードのB面

ゴールデン・スランバーズ|アビーロードのB面

 この激しい降りようは、いったいどうしたことだろうかと、彼女はひとりで思った。叔母さんの家で過ごした…

彼女は浴室の窓から入って来た|アビーロードのB面

彼女は浴室の窓から入って来た|アビーロードのB面

 カフェのカウンターのなかで、いつもコーヒーを作っている初老の男性が、カウンターで立ってコーヒーを飲…

パムとはパミラのことか|アビーロードのB面

パムとはパミラのことか|アビーロードのB面

 町にいたときは快晴だったのだが、海岸まで来てみると、空には雲が出はじめていた。海岸は広く快適だった…

ミスタ・マスタード|アビーロードのB面

ミスタ・マスタード|アビーロードのB面

「お若いの、今日も元気かい」  公園の浮浪者が、低い位置から彼にいきなり、声をかけた。  彼は午…

サン・キング|アビーロードのB面

サン・キング|アビーロードのB面

 目を覚ました彼は、ベッドの上に起き上がった。薄いブランケットをはねのけ、ベッドを降りた。Tシャツに…

いつも代金を払わない男|アビーロードのB面

いつも代金を払わない男|アビーロードのB面

 広場の南西の片隅、いつもの位置に、新聞売りの小屋が今日も出ていた。北東の方向から広場にむけて歩いて…

僕はきみが欲しい|アビーロードのB面

僕はきみが欲しい|アビーロードのB面

 雨の町を彼はミラーのなかに見た。うしろから来る車のないことを確認して、左側の歩道へ彼は車を寄せてい…

七月一日、朝、快晴。円満退社

七月一日、朝、快晴。円満退社

 ぼくが大学を出て就職したころのことについて、すこし書いてみよう。記憶があいまいになっている部分があ…

退社までの九十日間について

退社までの九十日間について

 大学を卒業すると同時に僕は就職した。西も東もわからない青年が、大学をただ出たからと言って、そのまま…

丘の上の愚者は、頭のなかの目でなにを見たのだったか

丘の上の愚者は、頭のなかの目でなにを見たのだったか

 丘の上の愚者は、沈んでゆく陽を見たのだった。そして、この愚者には、目がもう一対あり、その目は彼の頭…

なぜなら|アビーロードのB面

なぜなら|アビーロードのB面

 カフェの奥で、彼女は、丸い小さなテーブルとむき合っていた。カップのなかの熱く濃いコーヒーは、半分以…