めだかと空と貨物列車
戦後すぐの十年ほどの期間を、幼児の段階を脱した子供として僕は過ごした。元気に遊んでいればそれでいい、という日々だった。瀬戸内の海と、それに向き合うおだやかな中国山脈の山裾が遊び場の中心だった。少しだけだが野もあった。爆撃されたまま、錆びた瓦礫の山となっている工場が、海沿いにたくさんあった。ある時期からはプールが遊び場に加わった。子供だから元気に遊んでいればそれでいいとは、成長していく日々を親が守り、必要なものすべてを提供してくれていた、という意味だ。そしてその意味のとおり、食べていくために働くというような労働とは、完全に無縁のままだ…
底本:『自分と自分以外──戦後60年と今』NHKブックス 2004年
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