作品一覧 公開作品 1897 57 58 59 60 三つのパラグラフのなかの彼女 ひさしぶりに彼女に会った。夏のまっさかりの日に会って以来だから、ひさしぶりなのだ。いまは、すでに秋… 読 む 彼女と一台の自動車 1 秋の午後、やや遅い時間。あるいは、夕方のすこし早い時間。ダイニング・ルームに客をとおす準備は… 読 む ブラックベリーとスニーカーの靴ひも 東京からひとりで自動車を走らせて三時間、彼女は高原のホテルに着いた。 よく晴れた明るい秋の日の… 読 む 言葉を捨てた人たちの便利機能満載機種 僕はいまこの文章をオアシス・ライトのもっとも初期のワープロ(以下、WPと略す)を使って書いている。… 読 む 幼い頃の自分について語る 1 ぼくは六歳から十四歳くらいまでの期間を、瀬戸内海に面したふたつの町で過ごしました。もうずいぶ… 読 む ビーチコウミング・フォ・ジャパニーズ・グラス・フロウツ。なんのことだか、わかりますか。 『ビーチコウミング・フォ・ジャパニーズ・グラス・フロウツ』という本をぜひ紹介したい。ビーチコウミング… 読 む 波の上を歩いた姉 十五歳の夏の終わりに、姉は日本からカリフォルニアへ帰った。僕はハワイへ戻った。島はおなじだが、もと… 読 む 3月13日 フィクション 1 「お酒を一杯だけ、つきあってほしいの」 と、彼女は、電話のむこうで言っていた。 長距離電話の… 読 む 『パリ・テキサス』を観た 空中から撮影した荒野が画面に映る。その荒野のなかを、ひとりの男が歩いている。いったいこの男になにご… 読 む パリから一通の封書が届いた もう何年もまえに東京からニューヨークへいってしまい、いまでは主としてニューヨークとパリで忙しく仕事… 読 む 猫の寝る場所 猫の多江子は、突然、目を覚ました。いつもの癖だ。気持ちよく眠っているその眠りのちょうどまんなかあた… 読 む ガールの時代の終わりかけ 僕が新卒の新入社員として、会社というものをかすかに体験した時代は、いつだったのですかという質問に対… 読 む 大統領によれば 2001年9月11日の午前九時すぎ(現地時間)、ブッシュ米大統領はフロリダ州にある小学校を訪問してい… 読 む 銀座で夕食の約束 銀座で夕食の約束があった。僕と男性もうひとり、そして女性がふたりの、合計四人だ。女性たちのうちのひ… 読 む アメリカのお気に入りは、ひたすら甘く、あくまでも軟らかい アメリカのスーパー・マーケットで買物をするたびに、ふと思うことがひとつある。それはなにかというと、… 読 む 本を開いたらチューリップが咲いた 世のなかに本ほど奇妙なものはない。四角く切った薄い紙が何枚も、一辺においてのみ綴じてあり、その結果… 読 む 彼女が愛する小さなデスク 彼女の自宅にある仕事部屋は彼女が作った。ただの空間でしかなかったところに手を加え、工夫をこらして、… 読 む 部屋を楽しんでいる人 いま彼女がひとりで住んでいる部屋の設計に関して、彼女はいっさい関係していない。父親とその弟が共同し… 読 む ピアノを弾く人 ピアノを弾く人 ピアノを弾く女性が、好きだ。ひとりの女性の生き身が、ピアノというたいへんに構… 読 む 世界でいちばん怖い国 カーヴした静かな道からかなり高くなったところに、いまの僕の仕事場の建物がある。道の側にあるいくつか… 読 む 水になった氷の悲しみ 仕事の用件で編集者に電話をかけた。用件をめぐる話が終わると、 「ちょっと待ってね、替わります」 … 読 む 家庭から遠かった男たち 自分の家庭以外のところで食事をすること、たとえば街の軽食堂で昼食にせよ夕食にせよ、一回の食事として… 読 む 映画の中の昭和30年代 『妻』 戦後の日本はやがて崩壊する仕組みのなかにあった。 一九五三年の映画がそのことを静かに教えてくれる。 … 読 む 映画の中の昭和30年代 『女が階段を上る時』 一九六〇年の日本でバーが全盛期を迎えた。 会社勤めの男たちがもっとも安心して寛げる場所だった。 『… 読 む 近未来を書きませんか 八月をあと十日残す、雨のような薄曇りのような日の午後、下北沢の喫茶店で二十代の編集者と会った。コー… 読 む 57 58 59 60