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評論・エッセイ

僕はいまでも万年筆を買う

神田・駿河台下の金ペン堂という店へ最初に入ったのは、僕が二十代なかば頃のことだった。原稿をたくさん書くのだがいい万年筆がなくて困っている、と言う僕の字をひと目見たご主人は、一本の万年筆をガラス・ケースのなかから出してくれた。それを買い、使ってみた。

底本:『アール・グレイから始まる日』角川文庫 一九九一年

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