VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

書評

独特の視点から贈り出された文芸書評の数々。多くの編集者が片岡義男に紹介文を依頼したのかが分かるだろう

作品一覧

公開作品 153

エドワード・ホッパーが描いたアメリカの光

エドワード・ホッパーが描いたアメリカの光

 エドワード・ホッパーの画集が欲しいと、もう何年もまえから、ぼくは思っていた。ペーパー・バウンドの小…

人生とはなになのか。よく慣れ親しんだ世界。もっとも重要なのはおそらくこれだ

人生とはなになのか。よく慣れ親しんだ世界。もっとも重要なのはおそらくこれだ

 マリアンヌ・ジンガーの『ボビー・レックス最大のヒット』という長編小説は、読んでよかったと心から思う…

他人の虹の端に向かって

他人の虹の端に向かって

 虹が空に出る。消えてしまわないうちにその虹の一端までいく。虹が地面のすぐ近くから出ていたなら、その…

彼女は『ラスト・ショー』の町に生きる

彼女は『ラスト・ショー』の町に生きる

『ラスト・ショー』という映画があったのを覚えているだろうか。ピーター・ボグダノヴィッチ監督がつくった…

猛烈に仕事をする人たちの国、アメリカと、父親を描いた数多くの小説

猛烈に仕事をする人たちの国、アメリカと、父親を描いた数多くの小説

 アメリカの小説に関してとりとめなく考えをめぐらせていたら、ひとつのアイディアが浮かんだ。アメリカの…

素敵な女性作家たち

素敵な女性作家たち

■このジャンルの本ならいつでも読みたい、というような領域はありますか。お勧め、というか、この領域のな…

アメリカらしさの核心のひとつを体現している人の人物像を、完璧に近い傑作小説で読むという感動

アメリカらしさの核心のひとつを体現している人の人物像を、完璧に近い傑作小説で読むという感動

 トーマス・コッブという作家の最初の長編、『クレイジー・ハート』は、たいへんな傑作だ。カントリー・ア…

一人称による過去形。しかし世界はいつのまにか現在。日系四世の女性の浮世。アメリカン・ドリームの外縁のいちばん外に近いあたり

一人称による過去形。しかし世界はいつのまにか現在。日系四世の女性の浮世。アメリカン・ドリームの外縁のいちばん外に近いあたり

 シンシア・カドハタの小説、『ザ・フローティング・ワールド』のタイトルは、浮いている世のなか、つまり…

京都の四季を英語で三行詩に

京都の四季を英語で三行詩に

『キョート・ドゥエリング』は、京都に二十五年にわたって住んでいる、イーデス・シファートというアメリカ…

個人的な絵葉書における、写真と民主主義の関係

個人的な絵葉書における、写真と民主主義の関係

『燃える大平原と紙でつくった月』のような本は、たっぷりと時間があるときには、ほんとにいいものだ。この…

しかし、アメリカには、貧乏もよく似合う

しかし、アメリカには、貧乏もよく似合う

 いま世界でいちばん豊かな国はアメリカだと、多くの人が思っている。いちばん強くて、いちばん豊かで、あ…

ブックストアでのめぐり逢い

ブックストアでのめぐり逢い

ー面白い本を夢中で読んでいくときの、その楽しさや面白さのもっとも中心になるものは、なにだと思いますか…

リチャード・ブローティガンは、主人公のユキコさんを最初から最後まで眠ったままにしておいた

リチャード・ブローティガンは、主人公のユキコさんを最初から最後まで眠ったままにしておいた

 リチャード・ブローティガンの『ソンブレロ・フォールアウト』(邦訳は晶文社『ソンブレロ落下す』)には…

アメリカの青年が書いた、東京の外資系会社の一年間。彼はカワシマ・キヨコをどこでみつけたのか

アメリカの青年が書いた、東京の外資系会社の一年間。彼はカワシマ・キヨコをどこでみつけたのか

 ジョン・バーナム・シュワルツの小説『自転車の日々』は、バスではじまりバスで終わっている。東部の大学…

フラストレーションという負のエネルギーは、マイナスのものばかりを呼び集める。そして最後に小さな悲劇として結晶する

フラストレーションという負のエネルギーは、マイナスのものばかりを呼び集める。そして最後に小さな悲劇として結晶する

 二、三年前の夏、日本がいちばん暑いころ、僕はラッセル・バンクスの『コンティネンタル・ドリフト』(邦…

イングリッド・バーグマンの写真集を逆に見ながら

イングリッド・バーグマンの写真集を逆に見ながら

 イングリッド・バーグマンの写真集を、かなり時間をかけていま僕は見たところだ。この一冊の写真集のなか…

ジェームズ・ディーンには雨の日が似合う

ジェームズ・ディーンには雨の日が似合う

■ さまざまな本について、再び話を聞きたいですね。あれや、これや、きわめてランダムに。たとえば、写真…

雨が、ぼくにオードリー・フラックの画集を開かせた

雨が、ぼくにオードリー・フラックの画集を開かせた

 窓の外にいま午後がある。その午後は、いっぱいに雨を持っている。梅雨の雨だ。今年は、長くて冷たい梅雨…

マリリン・モンローの唇が、いまも語ること

マリリン・モンローの唇が、いまも語ること

 イーヴ・アーノルドの写真集『マリリン・モンロー』のサブタイトルは、「アン・アプリーシエイション」と…

ひとりの大人として、自分の周囲にあるすべてを、全面的に引き受けることの出来る人

ひとりの大人として、自分の周囲にあるすべてを、全面的に引き受けることの出来る人

 夫婦、家庭、家族の小説が、なおも続く。アメリカには、夫婦と家族についての小説が、じつに多い。範囲を…

マンハッタンの10番通りと14番通り

マンハッタンの10番通りと14番通り

 自分にとっていちばん好きな場所はニューヨーク、特にマンハッタンだ、といつも言っていたアメリカ人の友…

一度だけ読んだハメット

一度だけ読んだハメット

 僕はハメットを一度だけ読んだことがある。短編をひとつ、しかも翻訳された日本語で。それはいまから二十…

アイラ・ウッドの『キチン・マン』はなぜ面白いか

アイラ・ウッドの『キチン・マン』はなぜ面白いか

 アイラ・ウッド『キチン・マン』 ■面白かったほうの本の話をうかがいましょうか*。  たとえば、…

ある日の午後、僕は「本のオールタイム・ベスト10を選んでください」と、電話で頼まれた

ある日の午後、僕は「本のオールタイム・ベスト10を選んでください」と、電話で頼まれた

 僕にとっていつまでも大事な本の一方の極に、シャーウッド・アンダスンの『ワインズバーグ・オハイオ』(…

アメリカの心がうたう歌が聞こえる

アメリカの心がうたう歌が聞こえる

『アーサー・ロススタインによる、写真に写しとられた一九三〇年から一九八〇年までのアメリカ』という一冊…