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【連載企画】お勝手に、

【連載企画】お勝手に、

2021年3月26日 00:00

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小説家・エッセイストの石田千さんのエッセイの連載「お勝手に、」が始まります。
「お勝手に、」というタイトルからどのようなことが想像できるでしょうか? 「お勝手」とは台所の意味です。ちょっと古い、昭和の台所というニュアンスがあります。ついこの間までは使われていたことばですが、いまや死語になりつつあるのかもしれません。石田さんは台所を「お勝手」と呼びます。「お勝手」には食べることと関係のある道具がたくさんあります。そのなかから毎回ひとつの道具を選び、「勝手に」、つまり自由に、その道具をめぐって書いていただきます。食べるためにどんな道具を選んで、それをどのように使っているか、石田さんの生きる基本を楽しんでください。

石田さんと片岡義男さんは「群像」という雑誌の鼎談による文芸時評で、はじめて顔を合わせたとのこと。その後、石田さんの著書『箸もてば』を片岡さんが書評したこともあります。「食事も酒も論理でつながれている」という気持ちのよい論考です。
「食事も酒も論理でつながれている」

石田さんには「わたしの片岡義男」も書いていただきました。選んだ一冊は『彼らと愉快に過ごす』。やはり道具やモノについて関心が深いのです。
「ひとが生きるうえで大切なこと」

鎌倉の出版社『港の人』のnoteでは、画家の牧野伊三夫さんとの往復書簡「月金帳」を連載中です。石田さんの回には、いつも最後に一句あります。
「月金帳」

◆著者紹介

石田千
石田千(いしだせん)

1968年6月4日福島県生まれ、東京都育ち。日常を切り取ったようなエッセイが特徴的。
2001年『大踏切書店のこと』で第1回古本小説大賞を受賞。2011年『あめりかむら』で第145回芥川賞候補。2012年『きなりの雲』で第146回芥川賞候補、第34回野間文芸新人賞候補。2016年『家へ』で第154回芥川賞候補、第38回野間文芸新人賞候補。エッセイ集に『月と菓子パン』『きつねの遠足』『夜明けのラジオ』『唄めぐり』などがある。
撮影:石井孝典

◆片岡義男からひとこと

片岡義男

二〇一七年の石田千さんのエッセイ集、『箸もてば』はたいそう良かった。僕はこの本を書評した。日常での食べものについて、石田さんは書いていた。食べるものは台所で作る。作るにあたっては、いろんな道具を使わなくてはいけない。思いがけない物が、たくさんある。それらをめぐって、石田さんの文章が成立するなら、それは一回ずつ、ウエブサイトでの連載になるはずだ、と僕は考えた。この考えが実現していくのが、この連載だ。

片岡義男

◆ 最新刊(2021/6/18公開)

|第8回|茶こしにひとつ
|第8回|茶こしにひとつ

行きつけの食堂が閉まると、大好きな料理もお店とともに消えてなくなり、二度と食べられなくなります。石田さんの大好物「レンズ豆とスペルト小麦のサラダ」がこの春、お店とともに消えてしまいました。世界にとっても大損失です。
石田さんが常備しているレンズ豆はガラス瓶に入っていて、そこにはインド製の茶こしがひとつ、いっしょに入っています。お茶をこすという本来の役割を忘れたかのように、あれこれと役立っている小さな金属製の茶こし。茶こしとレンズ豆との関係はいかに?→ 続きを読む

◆ 次回予告

|第9回|あやしいおばさん
2021/7/2公開
|第9回|あやしいおばさん

知らない人の家の窓辺をつい見てしまうことは誰にでもあります。午後5時にいつも窓辺に立っているおばさんがいて、しかも室内にいるのに黒いサングラスをかけて外を見ていたら、あやしさに妄想が花開いてしまうかもしれません。サングラスはふつう太陽光から目を守るものですが、コロナ禍のいま、室内でもおばさんの役に立っているのです。がんばれ、おばさん!