お勝手に、|第6回|駄菓子やさん
駄菓子やさんは昭和の子供が集う社交場でもありました。なつかしいですね。いまもときどき見かけますが、お菓子の包装があざやかで、照明はキラキラと明るく、昭和のころの雰囲気とは大違い。でも子供はやっぱりたむろしています。子供のころの石田さんにもいきつけのお店があったようです。そしていま、石田さんの家の冷蔵庫の上の竹かごには、お気に入りのびんがいくつか入っていて、中味は石田さん専用の駄菓子です。その駄菓子を毎週決まった日に仕入れる駄菓子やさんは石田さんで、仕入れた駄菓子を毎日つまんで食べるお客さんも石田さんなのです。
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