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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

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作品一覧

公開作品 2156

トミー・フラナガンのヴェルヴェット・ムーン

トミー・フラナガンのヴェルヴェット・ムーン

 5月のゴールデン・ウィークがはじまる前の日に、友人が遊びに来た。友人は、オートバイで、やってきた。…

つもる話とふたり連れ

つもる話とふたり連れ

 待ち合わせの場所は、ホテルのバーだった。ずいぶん以前に何度かたてつづけに来たきり、この数年、一度も…

彼女の部屋に文庫本

彼女の部屋に文庫本

 都電の停留所ちかくのビリヤードで昼すぎからずっとロテーションをやりつづける。やがて、夕暮れどきがく…

ウエイトレスに惚れて以後

ウエイトレスに惚れて以後

『恋におちて』というアメリカ映画のなかに、次のようなシークエンスがあった。  主人公を演じるロバー…

脚を見る人

脚を見る人

 べつに仮名にする必要もないのだが、とりあえずたとえば田中三郎とでもしておこうか。この田中三郎とぼく…

エキストラ

エキストラ

片岡義男が「人生全般にかかわるガイディング・ライト」とも呼ぶ、写真家の佐藤秀明さん。小学校5年生の時…

雨の日のカフェにて

雨の日のカフェにて

アメリカ・ネヴァダとの州境近くにあるカリフォルニアの町、ニードルズ。若き日の片岡義男の父親が過ごした…

ヨーロッパの文房具の機能や造形のなかに

ヨーロッパの文房具の機能や造形のなかに

ヨーロッパ製の文具は機能面だけでなく色や形もよく考えられており、文具好きはついつい買ってしまうようで…

真夜中にセロリの茎が

真夜中にセロリの茎が

 一九三八年にレス・ブラウンはバンド・オヴ・リナウンという名称のジャズ・バンドを結成した。リナウン(…

数の迷路を旅する

数の迷路を旅する

 久しぶりに国語辞典を買った。新明解国語辞典の革装のもの、そしておなじ新明解国語辞典の、小型版の二冊…

追憶の春、現在の春

追憶の春、現在の春

 三月、四月、そして五月の三か月が、日本の春だという。この春をめぐって、もう何日も前から、僕はさまざ…

知らない町を歩きたい

知らない町を歩きたい

 どこか知らない町を歩きたい、という気持ちが僕のなかにほとんどいつも、かなり強くある。かなり強いから…

コーヒーは俳句を呼ぶのか

コーヒーは俳句を呼ぶのか

 冬の始まりを感じさせる気温の低い日だった。平日の午後五時前の街は、すでにさまざまに明かりの灯る夜だ…

コーヒーに俳句が溶けていく

コーヒーに俳句が溶けていく

 この冬最初の寒気が日本列島に流れ込んでいるという日の夜、三人で寿司を食べた。いつもの私鉄沿線のほど…

「スキヤキ」の次は「スシ」だった

「スキヤキ」の次は「スシ」だった

 一九六一年の日本で「上を向いて歩こう」という歌がヒットした。日本人全員と言っていいほどに多くの人た…

かき氷は食べましたか

かき氷は食べましたか

 待ち合わせのカフェに彼はすでに来ていた。大きな楕円形のテーブルの一角で椅子にすわって脚を組み、小さ…

旅は日曜日に始まる

旅は日曜日に始まる

 仕事でときたま会う三十代の男性から、つい先日、「ゲッスイキンのことを英語でなんと言うのですか」と訊…

旅先にうまい水あり

旅先にうまい水あり

「旅先にうまい水あり」というフレーズは、友人からもらったものだ。このタイトルでなにか書いてみろと言っ…

湯麺がひとつ本棚にある

湯麺がひとつ本棚にある

 南口にくらべると北口の商店街は静かだ。歩いている人の数が少ないし、若い人たちをまったくと言っていい…

東京はなにの都か

東京はなにの都か

 水の都はヴェニスだ。映画の都はハリウッド、そして花の都はパリだ。この場合の花とは、土から生えて咲い…

弁当の秋

弁当の秋

 自分が久しく食べていないものはなにだろうか、と秋の始まりの街を歩きながら、ふと思った。食欲の季節と…

醬油味への懐疑の念とは

醬油味への懐疑の念とは

 自分が食べたものに関する記憶で、もっとも遠くまでさかのぼることの出来る記憶は、いったいなにだろうか…

定刻に五分遅れた

定刻に五分遅れた

 一九六〇年代の終わり近く、ひょっとしたら一九七〇年代に入ってから、確か月刊総合雑誌の編集部から、吉…

コーヒーに向けてまっ逆さま

コーヒーに向けてまっ逆さま

 一九六六年だった、ということにしておこう。誤差はあったとしても、せいぜい半年から一年だ。季節は夏の…

まず一杯の水をテーブルに

まず一杯の水をテーブルに

 高台の自宅のすぐ近くに階段がある。数えた人によると百三十段あるそうだ。風情のある階段とは言いがたい…