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『英語で日本語を考える』が文庫版で発売

8月9日、筑摩書房から片岡義男著『英語で日本語を考える』の文庫版が発売になりました。2000年6月にフリースタイルから発売された同名作品の文庫版です。解説は杏林大学外国語学部教授の倉林秀男さん。

解説の中で倉林さんは、大学院で英語文体論を学んでいた2001年頃にこの本を手にし、あちこちに線を引きながら読み、英語的発想法と日本語的発想法について大きな示唆を得たと言います。そして本書について「言語表現の根底にある発想法の違いを日本語と英語の間を行ったり来たりしながら、考えさせてくれるものである」とし、ご自身にとっては「自身の考えを持つに至った、大切な航海図、そして宝物のありかを示す地図になっていた」と書かれています。その上で本書の例文を使い、英語の思考経路について解説しています。

旧版との比較。旧版はペーパーバックとほぼ同じサイズ

片岡義男はこの本のあとがきで、

「英語による言いかたを細かく解きほぐすと、英語らしさというかたちで、英語の特徴がそこにあらわとなる。日本語に関してもまったくおなじだ。このふたとおりの特徴を自分のなかで重ね合わせると、英語らしさという特徴は、自分が持っている日本語能力の内部に取り込まれて、自分のものになる」

と書いており、英語習得において日本語と英語の観察と分析が重要であることを説いています。この夏休み、大人の自由研究のひとつとして電子版の検索機能も活用しながら読んでみてはいかがですか?
なお、片岡義男.comでは『英語で日本語を考える』だけでなく、続編の『英語で日本語を考える 単語編』など、英語学習の参考となる書籍やエッセイを数多く電子化し公開しています。こちらも併せてお読みください。

■関連作品

『英語で言うとはこういうこと』
『日本語と英語──その違いを楽しむ』
『ヘルプ・ミー! 英語をどうしよう』
「薄い皮だけがかろうじて英語」
「日本語の発想による英語」
「『過去の栄光にひたる』を英語で言えますか?」
「日本語にならない英語というもの」
「身についた言語は常に肉体性を持つ」

2024年8月9日 18:45 | 片岡ニュース

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