かつての日本でハワイアンというひと言でひとつにくくられて言いあらわされていた種類の音楽の、その時代のLPを五枚、いま僕は眺めている。一九六一年から六八年のあいだに、日本そしてアメリカで発売されたものだ。これらのLPがレコード店の棚にならんでいた頃から現在までのあいだに経過した、四十年ほどの時間が作り出す今昔の感というものを、僕は味わっている。ジャケットに使われた写真に写し取られた景色を観察すればするほど、今昔の落差は大きくなる。
リーオ・アデオと彼のオーケストラの『ソングス・オヴ・ハワイ』のLPは、ジ…
『キャシー・マム』二〇〇五年冬号