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評論・エッセイ

日本語のお勉強

日本語のお勉強



 ぼくのアメリカ人の友だちのひとりが、いま日本語を勉強している。ときたまぼくが辞書がわりになったり、先生役をつとめたりする。日本語を外国語として勉強している人の、その勉強ぶりを目のあたりに見るのは、きわめて面白い体験だ。
 そのアメリカ人の友人は、たとえば日本語の漢字をおぼえるとき、非常に複雑な線図形であるさまざまな漢字のなかに、どの漢字にも等しく共通する基本的な最小単位をまず論理的に見つけ出そうとする。
 彼にとっては、たとえば、「口」とい…

底本:『コーヒーもう一杯』角川文庫 一九八〇年

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