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評論・エッセイ

二百字詰め原稿用紙八百枚

 原稿用紙に万年筆で原稿を手書きしていた期間が二十年以上ある。市販の原稿用紙、あるいは出版社が提供してくれるその社のものを使っていた期間は、ごく短い。大量の原稿を書くようになると、万年筆による手書きという肉体作業を、可能なかぎりストレスの少ない、安定したものにする必要を強く感じた。だから僕は自分で紙を選び、自分の字を計測して枡目の大きさをきめ、二百字詰めの原稿用紙を自分でデザインし、印刷会社に作ってもらった。二十数年前のことだ。総計で一万枚が五百枚ずつ二十個に包んであった。これを使いきるのは大変だと思ったが、意外に早くなくなった。おな…

底本:『自分と自分以外──戦後60年と今』NHKブックス 2004年

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