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エッセイ

僕は万年筆で書きたくなった

 仕事として僕が文章を書き始めたのは二十一歳からだ。それから十三、四年後には小説を書く人となった。ワープロに切り換えるまで、合計して三十年ほど、すべての原稿は原稿用紙に万年筆で手書きした。
 ワープロを使うようになってから、まだ三十年はたっていない。二十五年くらいか。手書きしていた期間と合わせると、じつに五十五年近く、僕は文章を書いてきたことになる。そしてそのあいだずっと、文章のためのメモは、ボールペンで書いた。
 アメリカの三穴バインダーがなぜか僕は好きで、サイズは何とおりかある。初めの頃はいちばん大きな…

底本:『酒林』2016年9月号

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