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評論・エッセイ

「スキヤキ」の次は「スシ」だった

 一九六一年の日本で「上を向いて歩こう」という歌がヒットした。日本人全員と言っていいほどに多くの人たちから、強い共感を集め広く支持された。この歌が題名だけ「スキヤキ」と変えられてアメリカで発売され、日本人の歌手による日本語の歌として初めて、アメリカで百万枚を売り上げたヒット・ソングとなった。この「スキヤキ」に続く二匹目のドジョウは、当時もそしておそらくいまも、スシあるいはテンプラしかない。スシのほうが言いやすいからというだけの理由で、そのスシとなるべく選ばれたのは、「すず鈴かけ懸のみち径」という歌だった。「鈴懸の径」は昭和十七年に灰田…

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