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エッセイ

かき氷は食べましたか

 待ち合わせのカフェに彼はすでに来ていた。大きな楕円形のテーブルの一角で椅子にすわって脚を組み、小さなカップのエスプレッソを飲んでいた。その彼の隣りに、彼と斜めに向き合って、僕も椅子にすわった。すぐに水を持って来たウェイトレスにコーヒーを注文した。
「昨日お前に電話して、今日こうして呼び出したのは他でもない、かき氷を食おうじゃないか、ということなんだ」
 彼は僕よりいくつか年上だ。知り合って親友どうしとなり、すでに三十数年が経過している。僕のことを、お前、と呼ぶ数少ない友達のひとりだ。ひょっとしたら、そのような…

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