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評論・エッセイ

チャタヌーガ・チューチュー

チャタヌーガ・チューチュー



 朝のまだ早い時間なのに、居間はもう暑かった。陽がさしこんだりはしないのだが、むっとするような空気がこもっている。
 新聞を持った徳一は、居間からキチンへ歩いた。
 キチンは北側にあり、この小さな家のなかでは、たいていの場合、いちばん涼しい。
 テーブルから窓辺に椅子を持っていった徳一は、新聞を椅子に置き、クッキング・レンジへ歩いた。朝の起きぬけにわかして何杯も飲むコーヒーの残りを、レンジにかけなおし、熱くした。
底本:『アップル・サイダーと彼女』角川文庫 一九七九年
初出:『野性時代』一九七九年二月号(音楽のきこえる話「チャタヌーガ・チューチュー」)

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動画:当時のカラー映像をもとにした日本のドキュメンタリーの一部です。[12/7 6:30追加:閲覧注意]