高橋源一郎さんの新刊に、『白いプラスティックのフォーク』が登場
作家の高橋源一郎さんの新刊『食べる本 読むダイエット』(河出書房新社、4月28日発売)に、片岡義男の『白いプラスティックのフォーク 食は自分を作ったか』が取り上げられています。
本書は、集英社学芸部ウェブサイトの人気連載「読むダイエット」を改題、加筆修正し書籍化したものです。新書判ながら680ページという、一般的な新書の2倍以上に及ぶ圧倒的なボリュームの本です。
2018年頃、いつものジーンズがはけなくなったことからダイエットを決意した高橋さん。単なる減量に留まらず、心身のメンテナンスのためのヒントを求め、古今東西の「ことば」を食べ続けた日々の記録がここに綴られています。

片岡義男の『白いプラスティックのフォーク』は、本書の「第十六回 失われた『食べる』を求めて」において5篇が引用・紹介されています。
冒頭で高橋さんは「からだ」だけではなく「精神」にも栄養が必要であると述べ、「(食物を)『食べる』のは『からだ』だけではない。『精神』もまた『食べる』のだ。それも抽象的ななにかを、ではなく、具体的な食物を『食べる』ことができるのだ」と記しています。その上で、片岡がいままで食べてきたものの記憶を丹念かつ精密に、そして静かな筆致でたどっていることを挙げ、「食べる」という行為にまつわる情景が鮮明に記述されているからこそ、それを読むと自分自身の「食べる」ことにまつわる記憶がよみがえってくる、と語っています。
また、高橋さんが司会を務めるNHK-AMラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」の5月15日放送分でも『白いプラスティックのフォーク』が取り上げられ、本書に登場する食べ物の記憶が、片岡より10歳ほど年下である高橋さん自身の記憶とも深く重なっていることなどを語られました。
本書で引用されている5篇とそこで語られる食べ物は以下のとおりです。
・「あのトースターの謎を解く」(トースト)
・「友だちの家で食べた」(カレーライス)
・「砂糖は悲しいものだった」(砂糖)
・「アイスキャンディ」(アイスキャンディ)
・「玩具として買うには面白い」(ハーシーのチョコレート・バー)
高橋さんは片岡義男について本書の中でこうも記しています。
「英語が深く内面化された片岡の小説、エッセイを、わたしは前人未到のものだと思っている。彼の真の評価が定まるのは、まだ先のことだろう」
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2026年5月21日 18:00 | メディア掲載
