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評論・エッセイ

禁止することの快感

禁止することの快感


二〇〇四年四月五日(*日付については、「まえがき」参照)

 ヴィザなしでアメリカに入国し、九十日までは滞在することの出来る短期の旅行者に対しても、指紋の押捺と顔写真の撮影が強制されることになった。入国管理のゲートで両手の人さし指を左手そして右手と、ガラス板に当てて指紋を採取する。入国管理官のデスクには電子カメラがあり、それで短期入国者の顔を撮影する。膨大な数の入国者を入り口のところで厳しく管理しようというわけだ。今年の九月三十日までに全米で開始される…

初出:ウェブサイト『先見日記』NTTデータ 二〇〇四年四月十三日
底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年(『先見日記』を一部加筆訂正)

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