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評論・エッセイ

ウエイトレスに惚れて以後

『恋におちて』というアメリカ映画のなかに、次のようなシークエンスがあった。
 主人公を演じるロバート・デ・ニーロが、大衆食堂みたいなところで友人と待ち合わせをし、いっしょに昼食をとるシークエンスだ。すこし遅れて店に来た彼が、友人とさしむかいに席につき、ウエイトレスにビールを注文する。「銘柄は?」と彼女にきかれたデ・ニーロは、「なんでもいいや」と答える。「おっしゃっていただいたほうが楽なのだけど」と、仕事にうんざりしているウエイトレスは、さらに言う。「なにがあるの?」と、彼はきく。それに応えて、彼女は、店で出している何種類…

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