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評論・エッセイ

ハワイ土産に8ミリフィルム!? あの頃、映画とは何だったか

映画とは光である
 映画の科学的なからくりについては、子供の頃からよく知っていたような気がする。
 完成された映画とは、撮影されたフィルムが編集という意図によって取捨選択され、つなぎ合わされたものとしての、一本のフィルムだ。そのフィルム上の像が光によってスクリーンに投影されるのだから、映画とは光である、とも言える。
 このことを視覚的に確認することが出来たのは、煙草の煙だった。
 僕が子供だった頃の日本では、上映中の喫煙は客の自由だった。前のほうの席にすわっている人が煙草をつける…

底本:『現代ビジネス』講談社 2017年4月9日

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