女性作家の作品を支持する
いまのアメリカの小説は、女性作家たちの作品が面白い。面白い、というのはぼくの個人的な言いかたでありポジティヴだけではなくネガティヴな領域へ広がる部分をも含めて、ぼくは面白いと言っている。つまり、たいへんに興味深いわけだ。そしてその女性たちは、作品のなかに登場するさまざまな女性たちであり、その女性たちの物語を描いていく女性の作家たちだ。
アメリカは、最初から近代国家としてスタートしたと言っていいほどに、新しい国ないしは文化だ。国を造ることそのものが、自分たちのかかげる理想を実現してみせるプロセスでもあったという、実験的…
底本:片岡義男エッセイ・コレクション『本を読む人』太田出版 1995年
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