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書評

自己啓発本が前提としているもの

〈書評〉牧野智和著『日常に侵入する自己啓発 
生き方・手帳術・片づけ』

 講演や講習会、セミナー、ワークショップなどを経由してではなく、書店で販売されている書籍をとおして指南される、自己啓発について考察した本書は、いろんなことを考えながら丁寧に読むと、見えて来るものが確実にあり、興味深い。
 ごく少数の人しか持っていないものは、自己啓発書の材料にはなり得ない、という事実を僕は本書でまず発見した。誰もが持っているからこそ、それは不特定多数の人たちにとっての、自己啓発の材料になる。…

底本:『週刊朝日』2015年7月17日号

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