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書評

愛と栄光のための戦い

 ロバート・B・パーカーの『愛と栄光』(邦訳はハヤカワ文庫『愛と名誉のために』)という小説をぼくは面白く読んだ。ロバート・B・パーカーが書く私立探偵スペンサーのシリーズは日本でも好評だが、この『愛と栄光』は、パーカーにとっては、ノン・スペンサー・ノヴェルとして第三作目にあたるものだそうだ。
 手に入れるまえから、一九八三年の新作である『愛と栄光』は、ノン・スペンサー・ノヴェルだということを、ぼくは知っていた。恋愛小説だと、人づてに聞いていた。彼がどのようなラヴ・ストーリーを書くのかぜひ読んでみたいと思い、手に入れて読んで…

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『本を読む人』太田出版 1995年
『紙のプールで泳ぐ』新潮社 1985年所収

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