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エッセイ

あのときの日本といまのこの日本

 もっとも効果的な戦いかたは、日本軍の本土である日本を直接に爆撃することではないか。日本を相手におこなっていた戦争の初期に、アメリカはこう思った。アイディアがひとつ、閃いたわけだ。そしてそれは、単なる優れたアイディアではなく、アメリカという国の神髄を体現してあまりある、自分たちにとってもっとも高い位置の、したがってそれを具体化していくにあたっては、いかなる犠牲をもいとわず前進するに値する、アメリカそのものと言っていい、ひとつの観念だった。
 観念はすぐさま実行に移された。通称をミッチェル・ボマーというB-25爆撃機を、確…

底本:『自分と自分以外──戦後60年と今』NHKブックス 2004年

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