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エッセイ

ハイウェイのある風景に挽歌がスニーク・イン

 自動車というものがもっともよく似合うのはアメリカだと、僕はずっと以前から思っている。そしてその思いには、いまも変化はない。風土にも風景にも、文化的な気質にも、アメリカには自動車がよく似合う。単なる交通機関であるとか、いまのところこれがもっとも便利、というようなかたちで存在する自動車は、世界のほとんどいたるところにあるけれど、国を支える基本的な理念の部分と根深く密接につながったかたちで自動車が存在している国は、僕が知るかぎりではアメリカだけだ。
 したがってアメリカにはアメリカ製の自動車がいちばん調和する。しかしいまのア…

底本:『ノートブックに誘惑された』角川文庫 1992年

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