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『本の雑誌』11月号特集「ハードボイルドを探せ!」に片岡義男作品が登場

本の雑誌社発行『本の雑誌』2021年11月号の特集「ハードボイルドを探せ!」の中で、文芸評論家で東北芸術工科大学教授の池上冬樹さんが「心理を書かずに深い物語」と題し、大学の授業でハードボイルド・スタイルの小説を取り上げていることを書かれています。

池上さんはご自身の授業で、ハードボイルドの歴史と文体について学生に講義をされており、その際に片岡義男の『約束』を最初に取り上げるそうです。学生たちは登場人物の心理を一切書かないグラフィカルな描写に息を飲み、昂奮すると言います。そして『吹いていく風のバラッド』の「12」「16」、『1963年、土曜日、午後』と進み、その後丸山健二『夏の流れ』、立原正秋『手』『七号室』、ヘミングウェイ、ハメット、チャンドラーと進むそうです。また、片岡義男がハメットの『休日』をリライトした『給料日』との比較などもされているとのこと。こうした作品を通じて、ややもすると心理描写過多になりがちな学生たちに「〈ハードボイルドスタイル〉をいかに現代の小説に生かすか」を教えられているそうです。

また、「私の偏愛ハードボイルド!」のコーナーでは、編集者の桂島浩輔さんが「二十一歳の探偵 アーロン・マッケルウェイの衝撃」と題して、片岡義男の『ミス・リグビーの幸福』を中学生の時に読んだ際の衝撃を書かれています。

■関連作品

【小説】
『約束』
『吹いていく風のバラッド』
『1963年、土曜日、午後』
『給料日』
「私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズ」(11作品)

2021年10月21日 11:35 | 片岡ニュース

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