VOYAGER

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小説

給料日

やることは、ただひたすら金を使うことだけ。どこにも寄りかからない真性の無頼な時間がここにある。

給料日のサラリーマン。懐には20万弱の金がある。
会社帰り、男は地下鉄丸ノ内線で新宿に出る。
ゲーム・センターで金を使い、パチンコで使い、
飲み屋を何軒もハシゴし、誘われるままに風俗店に行き、
一晩で彼はすべての給料を使ってしまう。
憂さを晴らしているわけでもないようだ。自暴自棄でもない。
金があり余っているわけでもない。病的でもないらしい。
男は金を払う。なぜなら金を持っているから。
新宿とはそういう街だから。
感情にも意味に…

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