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評論・エッセイ

サンフランシスコ湾ブルース

 フィービ・スノウのLP『フィービ・スノウ』を、AB両面、聞きおえたばかりだ。
 音の印象は、かなり素敵だと言える。ほんのわずかに、しかしはっきりと、ブルーに内向していく雰囲気をたたえつつ、ぜんたいはすっきりとメランコリックだ。
 おさえのきいたシンプルな、余裕のあるリズムが、ひどく都会的に洗練されている。
 クールに、軽く、べとつかず、さわやかにはずんでいく。ジャズとニグロ・ブルースとフォークをかさねあわせ、フィービ独特のとしか言いようのない、趣味のいい知的なブルースが、A面からB面の終わり…

底本:『スターダスト・ハイウエイ』角川文庫 1978年

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『サンフランシスコ・ベイ・ブルース』