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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

水鉄砲を買う人

 今年の夏も水鉄砲を買った。拳銃のかたちをした玩具の水鉄砲だ。夏になってから、ひと月ほどあいだを置いて、一丁ずつ。色鮮やかな透明のプラスティック製で、ひとつは現実に存在するオートマティック・ピストルを模した、その意味ではクラシックな造形だ。もうひとつは、地球を攻撃してくる異星人たちを迎え撃つ宇宙戦争タイプの造形なのだが、握りがあって引き金もあり、さらには銃身がまっすぐに前へ突き出ている様子には、苦笑を誘われる。そしてこの銃身は上下に二連となっていて、水を入れておくタンクが三つもある。両極端のタイプをひとつずつ手に入れて、いま僕は満足し…

底本:『ピーナツ・バターで始める朝』東京書籍 2009年

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