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書評

食事も酒も論理でつながれている

〈書評〉石田千著『箸もてば』

 題名の『箸もてば』とは、自分で作った食事を、さあ、食べるぞという瞬間、あるいは、いま食べているさなかのことだ。食事という論理の筋道の、ちょうど中間だ。
 物事には順番がある。順番とは、言うまでもなく、論理のことだ。順を追って論理の筋道にしたがわないと、うまくいかない。食事のための材料は、そのどれもが、論理を持っている。それぞれの食料品にもっともふさわしい調理のしかたが、その論理のなかにある。これを著者はじつにしなやかに見抜いて、いっさい逆らわない。


底本:『週刊朝日』2017年9月15日号

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