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書評

人生を自分で考えるための材料集

〈書評〉竹信三恵子著『正社員消滅』

 当時の私は「正社員」ではなく、ただの会社員だった。と、この本の著者は、はじめに、と題した短い文章のなかで書いている。当時とは、著者が新聞社に入社した、1970年代の後半だ。
 もっと前、僕が子供だった頃、会社に雇用されて仕事をし給料をもらい、それで生活を支える人たち全般を、会社員と呼んでいた。会社勤め、勤め人、という言葉もあったし、給与所得者もおなじ意味だ。
 会社員はいつから、正社員になったのか。対立する概念が具体的にあらわれたからだ。そ…

底本:『週刊朝日』2017年6月9日号

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